内容説明
2025年大河ドラマ『べらぼう 蔦重栄華之夢噺』で今、注目されている江戸の天才出版プロデューサー・蔦屋重三郎。その通称・蔦重のもとで現代からタイムスリップしたサラリーマン・タケが喜多川歌麿らと修業し、人生や仕事の面白さ、秘訣などを教わったスマッシュヒット小説『蔦重の教え』に待望の続編! ――時は進み、今や後期高齢者になったタケは孫のジェラール(フランス育ち)とともに再び江戸へ。蔦重が写楽を売り出す少し前の時期で、タケは〝ある史実〟を変えたいという思いを秘めており……傑作時代エンタメ、痛快第2弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんらんしゃ🎡
37
蔦重其之陸*うーん、これはちょっと期待外れだったかもな。前作には成長あり初めて江戸を目にするワクワク感も伝わったんだがなあ。今回は孫への説明ばかりで、蔦重や絵師らの話がぐっと少なくなってしまった。江戸再訪の目的も弱く、しっかりしたプロットもないまま書かされてしまった感じがする。自分で買った本なら投げつけるとこだ。こんなのもう蔦重の話とは言えないよ。2025/02/06
ひろ20
17
『蔦重の教え』が良かったので、こちらも読んでみた。 今回は孫のG(ジェラール)と一緒に江戸にタイムスリップ。前作で、現代に戻った時に蔦重の死因が脚気であった事を知って、なんとか食生活の見直しをさせたいと思っていたみたい。歴史を変える事はできないし、悩みながらも最善を尽くす。蔦重が言った言葉に『やっぱり本ってのは面白ぇよな、書いた人間はとっくに死んでんのによ』私もそう思う。昔の人が生きていた江戸時代の日常生活を知る事に今夢中になっている。2025/06/22
まつけん
7
大河ドラマの影響で手にした一冊。成功した経営者武村竹男(タケ)は、タイムスリップして蔦重の教えを受けた過去を持つが、実はある後悔があり、もう一度江戸に戻りたいと思い、それを実現させる。今度は孫と共に…「理屈にあぐらかいて、学ぶ気がない奴は叱らねえよ」「俺たちゃあせいぜい、俗世で精一杯足掻いて生きてりゃいいんだよ」SF✕時代✕自己啓発モノ、最後の思いがけないバタフライエフェクトを含め面白く、あっという間に読了。「蔦重の教え」という前作があるようなので、機会があったら読んでみたいと思います。2025/05/27
もけうに
6
一作目が綺麗に終わっていたのに、今作は完全に蛇足。大河開始を受けて続編が書かれたのだろうが、良作『蔦重の教え』の価値まで下がった感。妙にSF色が増し、かといって本格SFの面白さは無い。蔦重後期の業績・絵師との関わりや、現代の時間軸が進んだ分今風の題材が扱われ、それはそれで面白みはあるが。フランス文化や料理描写の方が印象に残った。今作は別物として、一作目の綺麗な終わり方だけ記憶に留めておこう。2025/06/10
田中峰和
6
蔦重ブームに乗って発行。第二段らしいが、大河ドラマの影響で手に取られる可能性大。原題からタイムトラベルで晩年の蔦重の前に現れるタケ。なぜか、孫のジェラールまで同行している。黄表紙が寛政の改革で発禁処分、財産まで半分没収された蔦重だが、浮世絵の新たなブームを作って復活をはたしていた。蔦重が3年後に脚気が原因で亡くなることを知っているタケは、白米しか食べない彼に漬物を提供する。写楽が描いた浮世絵の表現が気に入らない連中に腹を刺される蔦重。現代に戻ったタケは蔦重の死因が脚気ではなくその時の傷が原因と知る。2025/03/30