ダッシュエックス文庫DIGITAL 現代魔法をぶち壊す、あたしだけの魔法 ―異世界帰りの勇者姫と神降ろしの白乙女―

著者名：藍藤唯【著者】/いちかわはる【イラスト】

集英社（2025/01発売）

• ISBN：9784086315609

内容説明

異世界に召喚され、凄絶な日々の末に現代へ帰還した少女・琴野アズサ。そんなアズサのもとに旧友の不死川陽菜が現れ、「アズサさんを招待しに来ましたの。東京魔導訓練校に！」と告げる。現代には魔法が存在し、アスザは異世界召喚の影響で特異な魔力を宿していたため、半ば強制的に現代魔法の世界へ招かれたのだった。色々あって天涯孤独かつ貧乏暮らしだったこともあり、アズサは入学を決意。だが、家柄と血統を重視する現代魔法界にとって、アズサは野良犬同然。それでもアズサは、規格外で唯一無二の魔法によって周囲を圧倒し――!?　擦り切れた心で、それでも青春を謳歌せんと希う少女たちの現代学園ファンタジー開幕！

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

[よっち]

異世界に召喚されて凄絶な日々を過ごし、どうにか現代に帰還した琴野アズサ。可憐な旧友・不死川陽菜が現れ、彼女を東京魔導訓練校へ誘う異世界帰還青春学園ファンタジー。実は現代には魔法が存在し、異世界召喚の影響で特異な魔力を宿していたため半ば強制的に招かれたアズサ。家柄と血統を重視する現代魔法界では異端児で、エリートの吉祥院を圧倒する力を見せて、懐いてくれる陽菜の事情を知って彼女を救うために奔走する展開で、過酷な過去があるからこそ平穏な日常がかけがえのないもので、自らの居場所を得てゆく結末はなかなか良かったです。

2025/01/25

[和尚]

めちゃ面白かったです！ 異世界に召喚され、凄絶な日々の末に現代へ帰還した少女、琴野アズサ。そんな彼女の元に旧友の不死川陽菜が現れ、東京魔道訓練校に誘うところから始まる本作。 主要キャラが皆良かったです、世界観、主人公掘り下げがメインの一巻ながら、それぞれの特徴がわかりやすく魅力的でした。 物語の展開も、序盤の入りやすさ、中盤の明かされ方、終盤の盛り上がりに締めと一気読みできました。 イラストもとても良く、続きが楽しみながらに一巻でも満足できる一冊でした。

2025/01/25

[まっさん]

★★★☆ 異世界に召喚され、擦り切れる程の闘いを繰り広げた先に現代へと帰還した勇者姫･アズサ。身寄りもなく、先行きの見えない未来にどうしようかと不安を抱えていた時、彼女の元にかつての級友･陽菜が訪れる。どうやら現代には魔法が存在し、異世界召喚の際に特異な魔力を獲得したアズサを魔導訓練校に招きたいという。あれよあれよと入学が決まったものの、現代魔法のセンスはまるでないアズサ。しかも、現代魔法は家柄や血筋に重きを置くようで… 面白かったですね。 パッケージから迸る百合臭にほいほい釣られて購入した今作。→

2025/04/30

[真白優樹]

異世界に召喚され何とか帰還するも根無し草な少女が、かつての旧友の訪問を受け始まる物語。―――絡みつく思惑なんてぶっ壊せ、解釈次第の自分だけの力で。　弾けるようなドタバタ溢れる青春の中、かなり荒んだ心のままに戦いに飛び込んでいく少女が周りとのかかわりあいの中、自分の思いを変えていく物語であり、魅力的なキャラが多くとても面白い物語である。神降ろしの思惑をぶっ潰し、旧友と共に進む新たな日常。まだまだ続く、本当に望んだ世界での日々はどんな方向へ進むのか。また彼女が、戦う日が来るのか。 次巻も勿論楽しみである。

2025/01/29

[尚侍]

とっても面白かった。プロの作家に対してこういうことを言うのは失礼にあたるのかもしれませんが、作者自身が心から書いていて楽しいと思い、筆が乗った作品はやはり読んでいても面白いですね。一見能天気な主人公ではあるものの、その内側には大きな悲しみとも諦観ともつかないものを抱えていて、そうした面が所々に出てくることで物語全体が引き締まった印象でした。話としては綺麗に落ちてはいるものの、これだけ魅力的な主人公であればもう少し続きを読んでみたいですね。

2025/02/05