内容説明
《第5回富士見ノベル大賞受賞作!》
記憶を抜く手を持つ少女と忘れたい記憶を抱える人々の、泣ける感動ストーリー!
■あらすじ
大学四年生の才宮かえでの手には「触れた人の記憶を抜く力」がある。けれど、力を制御できないかえでは、人と関わることを避け、バイトも就活も失敗ばかりだった。
ある時、かえでは駅のホームで一人のOLと出会う。パワハラで心身を疲弊させていた彼女のため、自分の能力で記憶を抜いたかえで。しかし、その様子をかつての年上の幼馴染、神代蒼に見られていた。
六年ぶりに再会した蒼にはかえでの記憶がない。それはかえでが抜いてしまったから。けれど彼女の能力と現状を知った蒼は、人の記憶を抜く仕事を提案して……?
■登場人物
〇才宮かえで(さいみやかえで)
大学四年生。就活中。「触れると人の記憶を抜く」能力を持つ。人付き合いが苦手。
〇神代蒼(かみしろそう)
二十六歳、社会人。かえでの幼馴染だが、かえでに関する記憶を失っている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
色素薄い系
5
ちょっと想像していたのと違ったけどヒロインが自分の能力に向き合って成長する話としては良かったと思う。ただ蒼がかえでにビジネスとして持ちかけて記憶を抜くなら立ち会わせて欲しいって行ってたのに全然立ち会えないとかなんだそりゃ、になったけどね。あとちょっと唐突に記憶を保管するべき場所があるって出てきたのもなんかなぁ…五葉の妹の件は無事解決して良かったと思う。お互いにライバルと認めているからこそ切磋琢磨したいという思いのあったピアノの話が好き。2023/08/07
ごま麦茶
3
手で触れた相手の記憶を抜いてしまう異能を持ったかえでと、幼なじみの蒼。忘れたい記憶はきっと誰にでもあるので確かにお仕事になりそう!もっといろいろな相談を解決していくのが読みたくなりました。とはいえ、記憶を抜けば全て解決じゃないのはなるほどな、と。ピアノのお話が好き。かえでが成長していくのが良かったです。2023/10/21
史
3
なんか妙にバタバタしてるなあ。うーん。触れられたら記憶がって話なんですが、結局その能力を使う話ではなくて、翻弄されて主人公や周囲が右往左往するという。似たような話(角川ホラー文庫だったかな)はビジネスライクの話だったので、それとは別の方向性なので差別化はできてると思われる。けどまあ、こういうタイトルであるならば、もう少し静謐さが欲しい。なんとも。2023/08/14
あさい
0
キレイ系ライト文芸。触った相手の記憶を消す能力持ちの主人公が、過去に記憶を消してしまった幼馴染と再会し、就活失敗でボコボコにされてた自分のやりたいことを見つける話からの、ファンタジーが強くなって怪しげ関西弁男によって少女救出に行かされたりとかなんとか。てっきり自己肯定感ボコボコ就活生がやりたいことを見つける話かと思いきや結構違ったな。ただトラウマの記憶を抜けば良いわけではない、根源的理由を探るのが大事なのはなるほど。キレイ系で実写化向いてそうな話だなって印象が強い。2024/04/21
よっしー
0
結構楽しめた。ピアノ少年の話が一番好きかな。2023/08/22