内容説明
私も、みんなと家族だったらよかった。
東京・目黒の家で暮らす小学5年生の奈保子の家族は、父親の不倫をきっかけに崩壊しつつあった。奈保子は母の失踪を機に、大阪にある父の実家にひとり預けられることになる。河原で出会った同じ年の少女・アサコが奈保子を連れて帰ったのは、血のつながらない4人の兄弟たちが住む、穴ぐらのような家だった。なかでも歳の離れた長男の鋭い眼光に、奈保子は心を奪われるが──。
痴呆が進んだ祖父の静けさと、灼熱の太陽を反射して光る大阪の川面が、冷え切った主人公の心を揺さぶる。人がはじめて対峙する「孤独」を丁寧に描いた、少女のひと夏の成長物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さちこ
27
俯瞰してみるとわかることでも今の状況の中にいるといっぱいいっぱいで、幸せってお金や周りの環境じゃなく、自分の心にしかないんだとわからせてくれた本だった2025/02/21
horihori【レビューがたまって追っつかない】
26
少女の「孤独」を丁寧に描いたひと夏の成長物語。東京で暮らす小学5年生の奈保子の家族は、父親の不倫をきっかけに崩壊寸前。奈保子は母の失踪を機に、大阪にある父の実家にひとり預けられる。淀川の河口で同い年のアサコに出会い、アサコの血のつながらない4人の兄弟たちと、兄弟が住む穴ぐらのような家に入り浸る。万博が開かれている辺りの陰のような物語。大阪の、暑さと雨の降る前の臭いが沸き立つような気がした。2025/04/02
真波
7
なんとも苦くて若い小説。図書館にはティーンズ向きのラベルが貼ってあったのだが……楽しい読書時間にはならなかったなぁ2025/06/22
つく
7
子供たちだけで生活していてたくましすぎる。家族よりそこに居場所があったんだね。2025/03/23
らびぞう
5
映画「誰も知らない」を思わせる。小学5年生の奈保子が、祖父が住む大阪で、ひと夏を過ごす。そのひと夏は、彼女にとって、永遠に続くハズだった。そう、奈保子は思っていた。濃厚なひと夏の経験が、彼女を成長させる。印象に残るのは、奈保子が小学4年生の時に、父方の祖母とみ子が、新幹線ホームでしゃがみ込んだまま、恥ずかしそうに笑って小さく手を振る姿だった。ちょっとピントが外れている父親、ヒステリックな母親、冷めてる兄(その後不登校になるが)、そうして、母の失踪から、ひとり大阪へ。そこで知り合うアサコと異父母兄妹。2025/03/25




