内容説明
2019年2月。ベルリン国際映画祭の開会式場に悲鳴が響き渡った。オープニングで、女性が殺害される瞬間を撮った予定外の映像が上映されたのだ。金髪の女性が何者かに襲われ、大きな釘で心臓をひと突きされていた。しかも、彼女は市長の娘で女優の卵だと判明。映像はあまりにもリアルで、目出し帽の人物が上映を強要したという。トム・バビロン刑事は捜査を始めるが、相棒の臨床心理士のジータは、映像内の壁に残されていた「19」に自分との共通点を見つけて戦慄する。そして新たな惨劇が!『17の鍵』につづく、疾走感抜群のシリーズ第2弾。/解説=吉野仁
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
127
前作の「17の鍵」に引き続いての作品で事件は2019年の2月に起こります。ベルリン映画祭の最中にあるフィルムが上映されます。そのフィルムがある事件を思わせ得る感じで主人公たちが調査を始めます。解決までは3日間という短さですが、主人公刑事の相棒の昔(2001年)が回想されその時の著落とした出来事が現在の事件と関係します。ベルリンの市長や主人公の上司が東ドイツ時代との関連で辞職したりします。ただこのシリーズの最後(4作目)まで読まないとすっきりしない感じが残ります。2025/08/19
ちょろこ
121
シリーズ2の一冊。今巻はベルリン国際映画祭の開会式場で突然流された女性殺害映像からスタート。これはリアルなのか…そして映像内の「19」の文字が、今度はトムの相棒ジータの心を脅かす展開。もう、一言でいうと2巻は終始興奮の鐘が響き渡る感じ。ジータが背負っていた過去が明かされていく過程、トムとジータ、二人に共通する意外な人物の存在といい、やっぱり先を急ぐ手が止まらない。そして事件の根底にあるもの、闇を手繰り寄せていく過程は前巻よりも惹きつけられた。そしてまた積もる謎。この先待ち受ける闇にドキハラも積もるばかり。2025/05/28
yukaring
95
『17の鍵』に続くシリーズ第2弾。大盛況のベルリン国際映画祭の会場。オープニングのアニメ映画の代わりに上映されたのは女性が惨殺されるスナッフフィルム。リアルすぎる映像は本物か偽物か?写りこむ「19」の意味は?そして殺される女性は市長の娘だということが判明、また続けて起こる少女達の誘拐。繋がりが見えずに警察の捜査は難航するがトム刑事の相棒・臨床心理士のジータは19の意味に気付き戦慄する…。前作からの謎が少しずつ解き明かされ、パズルのピースが埋まっていく。これは4部作全体で大きな謎を解く構成なのだと今回納得。2025/03/14
えにくす
89
ドイツ発クライムサスペンス第二弾。ベルリン国際映画祭の開会式で、女性が殺される映像が流された。トムとジータのコンビが捜査を開始。一方で01年のベルリンを舞台に、少女時代のジータが赤毛の男と出会い、3人組に追われる物語が並行する。両方の事件で共通する19の数字の謎は?またしても蘇るシュタージの影。今回はアクションの要素が濃くて、トムやジータが絶体絶命の危機に見舞われる。そして終盤に恐るべき悪魔の正体が判明。アイツか!前作で怪しいと思った、お前だったのか!エピローグの意外な展開を経て、次作が楽しみだ。★4.52025/06/10
キムチ
72
スワンソンの「9人はなぜ殺される」に似ている・・と思いつつこの筆者ならではと酒寄氏名訳に期して読んだのは正解(前者、実はつまらなさ過ぎて途中リタイア)シリーズ1作目のを読んでいずとも、しっかりトレース出来て行ける。576頁は楽とはいえず∼ま、これもラーベの特徴ともいえる「積み上げてじっくり感じさせ一気に突入」ラスト25%の怒涛は一語たりとも揺るがせぬ過去ほじくり。事件の真相に切り込んで行く修羅。欧州各国の歴史は極東に座するものにとっては衝撃が連発(とはいえ富裕層権力層の児童虐待は結構陽が当たってきてネタ化2025/12/02
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