内容説明
あなたの脳は「6つの錯覚」に支配されている
ハーバード大学の俊才たちが、最先端科学実験で次々に明らかにする、あなたの記憶のウソ、認知の歪み、理解の錯覚。
「えひめ丸」を沈没させた潜水艦の艦長は、なぜ“見た”はずの船を見落としたのか。ヒラリー・クリントンはなぜありもしない戦場体験を語ったのか。――日常の錯覚が引き起こす、記憶のウソや認知の歪みをハーバードの俊才が科学実験で徹底検証。サブリミナル効果、モーツァルト効果の陥穽まで暴いた脳科学の通説を覆す衝撃の書!
解説・成毛眞
単行本 2011年2月 文藝春秋刊
文庫版 2014年8月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マエダ
104
日常の行動の愚かさは傲慢、無知、注意力の欠如ばかりが原因ではなく、日常的な錯覚が影響を与えているかもしれなという。本書はモーツアルト効果、免罪、俗説、デマゴーグなどを実験を通して指摘、反証している。因果関係を調べるには実験しかないと、数々のユニークな実験はそれだけで面白い。2016/06/02
佐島楓
40
認知心理学的な見地から、人間の「錯覚」がどういう結果をもたらすか暴く。本書を読むと、自分の認識能力が根底から覆されるほどいい加減なものだ、ということが証明されてしまう。視覚・記憶・自信、こういったものは自分の都合のいいようにしか動作しない。こういったことをとてもわかりやすく書いてあって、よかった。2014/10/09
デビっちん
33
注意、記憶、自信、知識、原因、可能性と言った日常的によく陥りがちな錯覚が、数々の実験や数値から説明されています。そんな錯覚の多くは心の働きに多くの影響を受けていることがわかりました。集中して見るよりもボヤッと全体を観る方がチェックの精度が高いのは、きっと錯覚の影響があるのでしょう。2017/11/28
青蓮
26
心理学ノンフィクション。自分が「見た」と記憶したことが実は「錯覚」であてにならない。考えてみると結構恐いけど、納得出来てスッキリする内容。参考文献は膨大。「見えないゴリラ」は過去に経験済み。あれは面白かったですね。2017/05/11
胆石の騒めき
25
(★★★★☆)全編目からうろこ。この本の内容はミステリのトリックに使えるとまず思ったけど、科学的に証明された錯覚に満ち溢れたミステリを読んで、果たして納得できるかと思い返した。「The invisible murderer」、探偵曰く「全ては、あなたの錯覚だったのです!」うーん…。それはさておき、脳の錯覚により形成された世界だからこそ生きていけるのかもしれないが、「自信の錯覚」による戦争発生に関する項は現状と照らし合わせると戦慄を禁じ得ない。最大の錯覚は明日以降も同じ日々が続くと思うことなのだろうか。2017/10/10
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