内容説明
犯罪ネットワーク「金石」の幹部が次々に殺される。“黒石”と呼ばれる謎の殺人者の仕業か。首都圏の過去10年間の未解決殺人事件を検討した鮫島らは、知られざる大量殺人の可能性に戦慄した――。神出鬼没で正体のつかめない殺人者“黒石”と、反抗するものへの殺人指令を出し続ける“徐福”の秘匿されてきた犯罪と戦う鮫島。「金石」メンバーの逆襲はあるのか? 絶体絶命のクライマックスまで一気に疾走する傑作長編!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nao Funasoko
19
ちょうど本書を読んでいる時に元県警の方からトクリュウや特殊詐欺についての話しを聞く機会があったことで "金石"=ネットワーク型組織がリアルに感じられた。 阿坂課長、矢崎ら新しいメンバーもこなれててきた様子。鮫島も少しずつ変化ってきてる。 時折挿る過去の事件や桃井、晶に関する記述が初期からのファンの心をくすぐる。 「俺はバカマッポになっていた」のくだりはちょっと泣けた。 新宿鮫シリーズは単行本でも文庫でも読んではいるが、やはり、新書版のカッパノベルスの二段組が一番しっくりくるなあ。2025/02/27
キクマル
13
本当に久し振りの読書でした。他の事に夢中に、なり過ぎて本を読んでいませんでした。「新宿鮫Ⅻ黒石」!大変、面白かったです。かつて新宿で働いていた者としては新宿鮫は手放せませんね(^^)2025/03/31
Dai(ダイ)
10
前作からの続きだが、厚さは半分くらいのページ数となっている。今回は前作に比べある程度見つけるべき犯人が分かっているためテンポよく追い詰めていくのでスピード感はアップしている。ただし、あまり新宿鮫としての迫力はなく普通の刑事小説のようでもあった。シリーズも12冊目となったがまったく終わりは見えてこず、むしろ作者自身終わらせる気がないのではと思い始めている。2025/07/16
ちゃあぼう
5
八石のメンバーから保護を依頼され、暗殺者を追うことになった鮫島と矢崎。今回の行動は二人で動く場面が多くいつもよりも捜査の描写がリアルな気がした。少しずつ得た情報をつなぎ合わせて犯人に近づく展開はわかりやすかった。ただ、鮫島と黒石の遭遇とその後、鮫島の正体を知ることになった黒石の描写の部分は少々強引な展開なきがしたが、全体的には読みやすくて面白かった。歴代の「新宿鮫シリーズ」の中では上位に来る内容だった。終わりの部分では今後も黒石との闘いを予想させる終わり方で、この続きも楽しみです。2025/07/24
Akira Suzuki
5
シリーズ12作。前作「暗約領域」の続編のようなストーリー。 本作は前作を読んでおいた方がいいかもしれない。もちろん単独作品としても十分楽しめる。 鮫島の円熟を感じる。読者によっては「円くなりすぎ?」という印象を受けるかもしれない2025/02/13