他人屋のゆうれい

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他人屋のゆうれい

  • 著者名:王谷晶【著者】
  • 価格 ¥1,899(本体¥1,727)
  • 朝日新聞出版(2025/01発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022520203

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内容説明

急死した伯父の部屋には人懐っこい隣人たちと「幽霊」が付いてきた! 長い内廊下でつながるアパートメゾン・ド・ミルでは、「ふつう」を外れた人が寄り添い生きる。文芸界最注目の著者・王谷晶が描く現代版長屋噺!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かんらんしゃ🎡

33
「『お前の正しいとこが嫌いだ』と言われるとどうしていいか分からない」お向かいのカルトな本屋の言葉が印象深い。主人公も兄も隣人もおじさんもゆうれいも生き辛さを抱えた者たち。いずれ世慣れてくれば清濁合わせ持つことを知るし、正義は相手を窮地に追い込む暴力だって事も知るだろうけど、それには自分の大切なものを捨てなきゃならないんだよな。ピュアな人間たちの話。2025/04/19

レア

21
事故物件の地縛霊かと思ったらそうきたか。ゆうれいになったきっかけは切なすぎるけど、春夫おじさんにも大夢にも受け入れてもらえてよかった。実際にはあり得ないだろうけど、世の中捨てたもんじゃないなとあたたかい気持ちになった。登場人物みんなそれぞれ生きづらさとか葛藤を抱えてて、それでも折り合いをつけながら落としどころを模索して生きているあたたかい世界があった。川上老人の「人間を絶望させるのも人間なら、救ってくれんのもまた人間なんだよ」が心に響いた。2025/02/24

信兵衛

16
ユーモアと切なさ(春夫おじさん&幽霊)を両立させている点が読み処です。 中身は実のところとても切ないのですが、大夢と幽霊のやりとりは面白い限り。2025/02/08

onasu

15
一人暮らしだった伯父の遺品整理を押しつけられた大夢(ヒロム)が、東京の下町・千朝町の賃貸マンションを訪ねてみれば、物の多さに思考停止。すると大家から居抜きで引き継いでは、と意外な提案が。  安くするには曰くがあって、タイトル(他人屋:伯父のやっていた便利屋)のそれが現れれば、飯は食うわ、トイレも使うわ、筆談も! と言っても、考えてみれば幽霊はこうだ、てこともないか。  他人屋の客もやってきて、ゆうれいがいても新たな環境で大団円、てな成り行きかと思っていたが、そこを微妙に外してくれているのには好感。2025/01/27

練りようかん

11
既読とはまた違う作風で王谷さんの引き出しが楽しい。降って湧いた入居話に乗り、住み始めると幽霊が。いやこんな幽霊いるか?伯父の商いは何だったのか、交流があった本屋店主にムカつくのはなぜか、一気に動き出す感じがしてワクワクした。しかし浮ついたドタバタではなく、人間の根源と孤独がじっくりと掌の上で開いていく読み口。生涯独りで生きていくだろうと思っている主人公にとって伯父は未来の自分。生き方の肯定までの過程は無風から瞬間の温風を感じるものでとても良かった。女性二人の入居審査がハネられるエピソードが印象的だ。2025/02/23

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