夜の底を歩く

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夜の底を歩く

  • 著者名:レイラモトリー【著】/井上里【訳】
  • 価格 ¥3,300(本体¥3,000)
  • 早川書房(2025/01発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 900pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784152103918

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内容説明

17歳のキアラは、兄と二人暮らし。父は病死、母は獄中。ラッパーを夢見る兄のため、隣家の孤独な少年のため、彼女は職を探す。ある夜、思わぬことから、売春を始める。愛する者を心の支えとして働くキアラだったが、やがて街を揺るがす騒動に巻き込まれ……。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ヘラジカ

35
正直に言おう。この作品がブッカー賞のロングリストに選出された理由に、作者の年齢が関係していないとは思えない。ただし、それが決して悪いことだとも思えない。決して文学作品として手放しで褒められるような長篇ではないにしても、テクストには確かな命が宿っているし、このテーマを当事者と同じ年齢の人間が物語として形にすることには、作品全体の完成度を超越した価値があると言っても良い。煮えたぎるようなエネルギーの片鱗がページを捲る手を焦がしそうになることすらあった。良い小説だと思う。2025/01/10

原玉幸子

17
作品の展開を単語で繋げば、貧困、ダメンズ、毒親、汚職警官、買春……で、さもありなんの現実的な悲劇の連鎖に切なくなります。それでも最後は、一発逆転の、悲しくてもちょっとしたハッピーエンドとなるかとの期待も裏切られ、矢張り沈んだまま閉じられてしまう女性の物語。どうすんねん。「貧困に怒りを」なのか、「格差社会の現実を見ろ」とでも言いたいのか。恋人が死ぬ設定を「飛び道具」と称するのと同じく、お涙頂戴の題材で感情を揺さぶる手法がずるい気がしました。(●2025年・秋)2025/09/14

練りようかん

15
オークランド市の低所得者層エリアに住む少女が主人公。どん詰まりを感じる前半、酷いことが起こっても感覚が麻痺してページを廻る手は一定のスピードを保っていた。しかし、警官の死とむらさきスーツの女が命運を変える段になるとリーダビリティは一気に上昇。主人公がケアするネグレクト少年が取引に使われるのは辛く、引き離される場面は涙。しかしあとがきを読むと“黒人女性はなぜ身近な男性の世話をしなさいと育てられるのか”問題に相当すると気付く。実在の事件を下敷きにしているのも衝撃で、ブッカー賞候補作も納得の重い読後感だった。2025/04/20

uniemo

11
読んでいてあまりに辛いので飛ばし読みしていた部分もありました。アメリカの人種差別にもかかわる話ですが子どもが虐待されるのは本当に辛い。2025/04/19

5
作者が10代のうちに書かれたという事実に驚くとともに悲しくなった 本人の意志にかかわらず、否が応でも性暴力と搾取に直面せざるを得ない、女の子たちをめぐる環境は世界共通なのだろう 所々にあるモノローグは印象深く並外れたセンスを感じる2025/01/15

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