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内容説明
本書は、とある知的障害者施設への「潜入記」である。最初は潜入記など書くつもりはなかった。乞われるまま、あまり気乗りもせず入職したところ、「ひどい内実を知ってしまった」というのが、ペンをとるきっかけになっている。(「はじめに」より)入所者に対する厳罰主義、虐待、職員による「水増し請求」――驚きの実態を生々しく描いたルポルタージュ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ネギっ子gen
55
【辛口です】著者は、<「利用者様に寄り添い、その自立を支える」といった福祉の理念を美名的に掲げているものの、そこは目を疑い、耳を塞ぎたくなるような虐待の温床だった>と書く。このようなT作業所の酷い実態を世に問うのが本書発刊の目的であるとすれば、このタイトル名は不適切でなかったか。元週刊誌記者が書いた本のタイトルに「潜入記」とあれば、当然「(意図した)潜入取材記」だと本書を手に取った者は思う。が、頁を捲ると早々に、<最初は潜入記など書くつもりはなかった。乞われるまま、あまり気乗りもせず入職した>結果だと。⇒2025/04/29
shi-
14
う〜ん、虐待に当たる行為はもちろんあってはならないことなんだろうけど、施設で働いている方の気持ちもわからなくもない。施設に入ってもらっている以上、少なくとも入所者の安全と、健康には留意しなくてはならなくて、そんな中で各々の希望や要求を全て聞いていたら、人手は絶対に足りないだろうし、自宅のように過ごしてもらいたい、と思っていても自宅ではないことは事実。働いている職員も初めから、障害に対して、見下したり、支配してやろうなんて思ってなかったはず、って思いたい。医療や介護にはマンパワーと見合った報酬がきっと必要 2025/03/20
jackbdc
13
タイトルは仰々しいが、ジャーナリストが秘密の施設に一時的に潜り込んだレポートでは無い。職業ジャーナリストとプロ支援員を兼業している著者が、割と真っ当な職業意識を前面に出して業界の半ば公然の課題に対して事例を交えて論じている割と真っ当な内容であった。印象的だったのは、行動障害の激しい障害者に対して、人や資源を惜しみなく投入して状態を落ち着かせたり、ネパールにトレッキングに行くなど、当事者中心主義でとことん向き合う事業者の話。公定価格の下で善き親戚の様な関係性を如何に大切に出来るのだろうか?と改めて考えた。2026/01/17
コピスス
9
潜入記ではなく、知的障害者施設で働いた体験記。職員による虐待があるのはわかるのだが、施設でのエピソードがダラダラ続いて、登場人物もつかめず、読むのに時間がかかった。2025/10/15
みずいろ
6
子育てもそうだが、自分より弱い存在を目の前につきつけられた時、人間は知らなかった自分の一面を知る。そもそもなぜ虐待はなくならないのか?という筆者の問いに、心理士はこう答える「感情には良いも悪いもないんです。それは、ただそこにあるだけ。そういう自分の中の正直な感情を認め、自分のものとして受け入れることで、虐待を回避できることもあるんですよ」。自分のコンプレックスから生まれる「抑圧された強い感情」が虐待に繋がる。罰を与えることで納得させているのは、自分の暴力性なのだと気づくべき。自由が奪われませんように。2025/11/04




