角川新書<br> 宮内官僚 森鴎外 「昭和」改元 影の立役者

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角川新書
宮内官僚 森鴎外 「昭和」改元 影の立役者

  • 著者名:野口武則【著者】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • KADOKAWA(2025/01発売)
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  • ISBN:9784040825090

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内容説明

〈「昭和」は完璧な元号だった〉
「大正」は過去にベトナムで使用済みの「不調べ」の元号だった。明治天皇后には誤った追号が贈られてしまっていた……。歴史の重みを失った近代日本の綻びを正すため、鴎外が最後に挑んだのは元号制度の整備だった。それまで使われたことがなく、由緒正しい漢字を重ねた完璧な元号「昭和」は如何にして生まれたのか? 「令和」改元の深層に迫った政治記者が、膨大な公文書の中に隠された晩年の暗闘に初めて光を当てる!

◎軍医トップに登り詰めたキャリア官僚として「早出晩退」で事務処理能力を発揮
◎本業に差し障る文筆活動が黙認された背景に元老・山県有朋の後ろ盾があった
◎牧野伸顕宮内大臣の大規模リストラと対決

〈不可解な「遺書のナゾ」
「宮内省陸軍の栄典は絶対に取りやめを請ふ」
   ⇒軍医総監に上り詰めたのになぜ?
「余は石見人森林太郎として死せんと欲す」
   ⇒故郷・津和野に愛着は無かったはずなのになぜ?

〈目次〉
はじめに
第一章 『普請中』の近代日本
 一、混迷の「大正」改元
 二、昭憲皇太后はなぜ誤りなのか
 三、宮内省VS. 内務省
 四、『帝諡考』から『元号考』へ
 五、漢学官僚の系譜
第二章 宮内官僚 森鴎外
 一、山県有朋の人脈
 二、四つの歴史編纂事業
 三、官制改革の影
 四、大衆化する皇室
 五、未完の歴史叙述
第三章 官憲威力の容喙
 一、着手しなかった事業
 二、伊東巳代治総裁との確執
 三、山県支配の崩壊
 四、近代国家の「虚」を見つめる
 五、遺言の謎
終 章 遺された思い
 一、鴎外なき「昭和」改元
 二、「石見人として死せんと欲す」
あとがき
主要参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

121
森鷗外が生涯の終りに帝室博物館総長兼図書頭に就いたことを、大抵の鷗外伝では「文学に無関係」として軽く触れる程度か無視する。しかし普請中の明治国家に奉仕した官僚として、決して疎かにできない重責であった。強引な近代化を進める近代日本は制度面で綻びだらけであり、改元や諡号など宮中関係でも誤りが発生した。これを憂慮した山県有朋の代理として宮内省へ送り込まれた鷗外は精力的に修繕を進めたが、同時期に山県の権力失墜と反対派の宮内大臣就任が起こり挫折を余儀なくされた。有名な栄典辞退の遺書は、この挫折感への怒りだったのか。2025/03/10

へくとぱすかる

40
森鷗外と吉田増蔵が「昭和」改元に果たした役割は、猪瀬直樹『天皇の影法師』にも詳しいが、当時見ることができなかった史料が閲覧可能になったことを受けて書かれた本。改めて鷗外と吉田について詳細に知ることができた。何より鷗外が何を契機に『元号考』の執筆を始めたのかの謎がわかる。作家・軍医としてではなく、官僚としての鷗外に焦点を当て、山県有朋・牧野信顕との関係などを詳細に追跡している。鷗外の『普請中』という小説のタイトルが、明治・大正という時代、近代国家としての日本がまだ建設途上であったことを物語っていると。2025/01/27

ジュンジュン

11
文豪、軍医として知られる森鴎外は最期の数年を宮内省で過ごす。近代天皇制最初の改元だった「大正」は使用済みの元号をチョイスするという失態。大正天皇の体調が悪化し、次の改元が現実味を帯びる中、万全を期さんと彼は元号の考察に情熱を傾けた。自身は改元前に亡くなるが後継者が見事「昭和」を導き出す。山県閥に属した彼の上昇と失墜を、当時の権力闘争と一世一元制が生み出した元号の重みを交えて描く。2025/04/21

どら猫さとっち

10
「高瀬舟」「舞姫」などで知られる文豪で翻訳家・森鷗外。同時に彼は、軍医でもあり、宮内庁の図書類兼帝室博物館総長でもあった。そんな鷗外が最後に挑んだのは、「元号」だった。それをめぐり、さまざまな出来事が起こる。昭和という元号は、いかにして生まれたか。時の首相・山縣有朋の後ろ盾、そして組織への反発、鷗外最期の言葉に秘められた意味とは?文学者だけでない、森鷗外の知られざる一面が、公文書研究から読み解かれる。彼のマルチエリートが、本書で垣間見える。2025/05/06

とり

4
森鷗外が軍医で文豪なのは知っていたが、晩年に宮内官僚として元号制度の整備に関わり、その結果として「昭和」という元号が選定されたということを本書で初めて知った。2025/05/10

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