河出新書<br> 天皇問答

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河出新書
天皇問答

  • ISBN:9784309631813

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内容説明

明治・大正・昭和・平成・令和……今こそ問う、この国にとって天皇とは、皇室とは何なのか? しばしば天皇制を扱ってきた小説家と、天皇研究の第一人者が、対話を通じてその本質に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

122
どんな制度や法規も時代の変化に応じて調整されなければ、錆びついてガタが来る。明治国家建国時に国家統一の象徴として設計された近代天皇制も、敗戦という大変革を挟みながら基本的に維持されてきたため老朽化が隠せない。しかし天皇制打倒を一貫して掲げてきた左派は他の案を持たず、右派は蟻の一穴を恐れて一切の改革を拒む。そんな身動きがとれない現状と未来について語り合う原氏と奥泉氏は現行制度に批判的だが、逆に言えば自分の理想とする形なら支持するのか。各人が求める「国のかたち」を論ずる上で、天皇制は格好の議論のネタなのかも。2025/05/06

trazom

102
このお二人だから予想通りの問答が展開する。万世一系は明治時代に作られたフィクション。元々は天皇機関説だが、「顕教による密教征伐」(久野収)がなされ、戦時中は、実際は「天皇は現人神を演じ、国民は臣民を演じた」(加藤周一)のだと。天皇制に反対のお二人だが、阪神大震災や東日本大震災後に直ちに被災地に入った平成の天皇と、地震の三か月後に能登を訪問した今上天皇を比較することには底意地の悪さを覚える。被災者に寄り添うのは、本来、政治の仕事。その政治が信頼を失っている中で、象徴天皇と国民との関係に意味があるように思う。2025/04/23

たま

72
奥泉光さんの『虚史のリズム』に促されて読んだ。主に明治以降の天皇制がテーマだが、二人の知識と問題意識が噛み合って面白かった。加藤周一の「舞台で演じるように」信じるや大澤真幸さんの「アイロニカルな没入」などの見方に成程と思う。原さんは戦前戦中戦争末期の昭和天皇の言動を丁寧に押さえ、その結果天皇の視点から見たその時々の情勢が新鮮だった。奥泉さんの問題提起〈死者をいかに悼むか〉は米仏など〈戦勝国〉のニュースを見るたびに私も感じること。もっと議論に値すると思う。2025/02/14

梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」

11
▼天皇制に関する著書が多い原氏と、天皇制を扱う小説の著者でもある作家の奥泉氏、この二人の対話の記録である。▼明治以降の天皇を取り巻く制度や民衆の天皇に対する捉え方の変遷、戦争と天皇の個人的思考、新憲法に対する昭和天皇の理解の問題、平成の天皇夫妻の考え方…こういったことに話題が及んでいる。▼旧宮家の復活には反対…というこで、少なくともネトウヨには受けない内容だと感じた。▼二人とも天皇制に反対と表明しているものの、天皇制に対する造詣が深く、愛着を感じているようにも窺えたが、実際のところどうなのだろう…。2025/02/14

Hatann

8
小説化と政治学者による天皇制を巡る問答。天皇制が多くの日本人に受け入れられている事実を踏まえつつも、天皇制のない日本をも考えることから出発する。現人神たる天皇が人間宣言を行い、敗戦責任への総括もなく、戦後の全国行幸にて熱狂的に受け入れられた事実への違和感もきっかけ。大日本帝国憲法下にては様々な顔を持っていた天皇も、現在の日本国憲法下では日本国民統合の象徴として役割を担うのみ。政事は政治家に、神事は宗教家に各々任される。ある・ないの決断についての先送りを批判するようだが、先送りについては意見が分かれよう。2025/02/26

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