夏目漱石 美術を見る眼

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夏目漱石 美術を見る眼

  • 著者名:ホンダ・アキノ
  • 価格 ¥2,475(本体¥2,250)
  • 平凡社(2024/12発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784582839753

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内容説明

美術の門外漢として漱石が書きのこした言葉から浮かび上がる、同時代の美術への眼差しと独自の芸術観、そして生きる姿勢とは。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

117
昨年「二人の美術記者 井上靖と司馬遼太郎」を読んで、すっかりファンになったホンダ・アキノさん。この本も素晴らしい。漱石の美術批評というと、木島櫻谷、吉田博、安田靫彦を口を極めて罵り、青木繁を激賞するなど、素人でありながら自らの価値観を貫く態度が有名だが、それは漱石の確固とした芸術観に裏付けられている。自由やオリジナリティを重視し、過去の模倣や型への固執を嫌悪する。その芸術観は、漱石の人生観に通底し、それが、彼の文学作品に反映されていることを、著者は「美術」を切り口として見事に解き明かしている。いい本だ。2025/08/05

Willie the Wildcat

55
以前氏の作品を読んた時、深掘りすることが無かった「美術」の観点。起点が「自己の表現」で、指標が「奥行き」、最後のエッセンスが「没入感」。過渡期の渦中に放り込まれても、軸に戻り体現していく氏の姿勢を改めて認識。加えて、随所に滲む国家レベルの改革期における危機感。倫敦の留学体験ももれなく影響。氏の立ち位置を触れた著者の「主客の視点」考察は興味深い。既知の氏の装幀への拘りのアイロニーも、らしい気もする。因みに、巻末の関連年表も、普段とは異なる視点で興味深い。「美術」の観点か、『三四郎』と『文学論』を再読するか♪2025/03/30

どら猫さとっち

15
「坊っちゃん」「こころ」などの傑作を生み出し、日本を代表する文豪として名を知られる夏目漱石。その彼が、新聞の美術記者だったことは、案外知られていないだろう。本書は彼の美術に対する評論や哲学を解き明かす。彼が新聞記者をやっていたのは知っていたが、これほどの酷評家であったことに、驚きながらも笑ってしまった箇所もあった。厳しながら独自の美を見出した、漱石の意外で本質的な一面が垣間見える好著。2025/03/06

やいっち

11
「明治40年、東大教授を蹴って朝日新聞に入社した漱石は、折にふれ芸術に関する記事を紙面に綴り、自由で忖度のない持論を堂々と展開した。同時代の美術に漱石は何を見たのか、繰り返し強調した「自己の表現」とは何を意味するのか──。(以下略)」 漱石作品に絵に絡む記述の目立つことは気付いていたが、まさかこれほどとは。文展を巡る率直な評は、痛快を超えて辛辣。2025/06/08

スエ

5
「門外漢」を自称しつつも、美術に対する漱石の眼は本質をついており容赦がない。英国留学時に最先端の西洋美術に触れており、また日本の美術にも造詣が深いだけあり、偏屈ながら鋭く持論を展開し、小説にもたびたび古今東西の作品が登場する。上野の芸大美術館でだいぶ前にやっていた「夏目漱石の美術世界展」を思い出しながら、楽しく読ませていただきました。2025/05/31

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