内容説明
新撰組・土方歳三と沖田総司の生きざまを描いた幻の名著!
「…俺の命はお前の命、お前の命は俺の命。いいか、それを決して忘れるんじゃねえぞ」
幼いころからいつも一緒だった、土方歳三と沖田総司。
激動の幕末を駆け抜けた二人の生きざまを描く幻の名著。
電子書籍版は元の「誠を生きた男たち ~歳三と総司~」から、本文をブラッシュアップし、より二人の関係に迫る未発表の原稿と挿絵を追加収録した<増補改訂版>となります。
▼目次
多摩の三人/総司入門/山南敬助/契り/総司元服/土方負傷/浪士隊応募/芹沢鴨/総司人を斬る/不協和音/浪士隊始動/吉田屋登楼/面影/壬生浪/新撰組誕生/飼い犬/本日非番につき…/局中男色の話/池田屋/池田屋後談/迷いの日々/総長脱走/大津にて/光縁寺/沖田氏縁者/混迷/流転/花と水/再び江戸へ/千駄ヶ谷/朴散華/あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
178
歳三と総司ーこう言う話にもなるのだねぇ。この二人なら「生きるも死ぬも一緒だと・・俺の命はお前の命、お前の命は俺の命。」確かに『絵』になると思うのは私の願望だろうか?沖田は新選組の誰のはなしでも絡める。短く生きたその生涯。27年を病で終えたのはさぞや無念だったろう。そして土方よ・・作者は『至誠を貫いた』と紡いだが痛く同意。それも私の思い込みだけではないよね。2020/01/16
おかだ
48
あ〜。そうかーそうだよなー。サブタイトル「歳三と総司」だもんなー。新撰組は大好物なんだけど、私が1番好きな人物は藤堂平助。本作ではモブ中のモブで震えた。まさか油小路が1行で終わるとは。土方と沖田の心情をとことん突き詰めるスタイルで、主な出来事はダイジェスト風味だった。これを読むと山南さんの真っ当な感じが胸に残る。BLとまでは言わないけど、なんかもう、濃厚な味わいです。BLとまでは言わないけど(念の為もう1回言ったけど)、これはもう、ちょっとしたカプ厨の勢いです。私の思う土方像とは違うってだけかな。う〜ん。2020/05/26
あお
8
うーん…はずれかなあ。多分読む人を選ぶ。会話文が多すぎるのと文章が軽すぎて一冊の本を読んだっていう満足感がない。もろもろの重要事件があまりにもあっさり書かれててびっくりした。総司と土方さんの絆に焦点を当てたいならもっと掘り下げるべきだったし、それができないなら「新撰組」という組織をちゃんと描くべきだった。中途半端。あと一番許せないのが土方さんと山南さんの仲の描き方。違うから、あの二人憎しみ合ってた訳じゃないから。最後取り繕ってたけど、全然フォローできてない。あの二人はちゃんとお互いを尊敬しあってたんだよ。2015/08/17
小雀✡ずーっと積読減強化月……
5
土方歳三、沖田総司の出会いから、この二人を中心に隊士達の心情的な部分をメインにって感じですね。土方・山南の関係は『相変わらずか?』と思ってましたが、結び方は感動的でした。 『俺の命はお前の命、お前の命は俺の命─』総司の最期の章は涙が止まりませんでした。 1994年に刊行、2012年に復刊ドットコムより復刊。土方・沖田ファンには是非とも読んでいただきたい。2014/06/14
み~くま
4
『新撰組始末記』に出会ったのは15歳の時。それ以降、新撰組に関する作品を沢山読んできましたが、この作品は未読のままでした。1994年に刊行され、その後絶版。近年になって、復刊ドットコムにて読者に熱望され、2012年5月に見事復刊を果たした作品です。子母澤先生の三部作を除けば、私が違和感なく受け入れられる「沖田・土方像」は、これまで大内美予子作品だけでした。でも、この作品に登場する二人は、私のイメージにぴったりかも☆「人斬り」だけではなかった、人としての軌跡。この作品に触れて、その生き様を感じて欲しいです。2012/07/05