内容説明
笑うって実は大変なことなのです。
人はなぜ笑うのか――。考えてみると、実はよくわからない「笑い」という現象について、経済学者が独自の発想を披瀝。笑いとはどのようなプロセスから生まれるのか、そのメカニズムを「笑いの四段階説」というオリジナルな手法を用いて解明を試みる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
15
笑いとは異なる価値観と共存するための叡智だ。他人様の立ち居振る舞いに違和感があり、それでいてどこか親しみを覚える時がある。こうした場面において、人類は「笑う」ことで違和感を外部化し、異なる価値観との共存を可能にしてきた。これは群れて暮らす人類ならではの行動様式だ。 この背景はざっくりと次の通り。人は虚構を発見し、過去形・未来形・仮定法など言語が高度化している。それに伴い文明は進化躍動したが、欺瞞も蔓延してしまった。これが人類社会に満ち溢れている違和感の正体だ。この違和感と共存するため人類は笑いを発明した 2019/10/28
やす
7
笑いについて素人的な視点から考えた本。 非当事者性と不自然さが笑いには必要らしい。芸人についての考察は面白かった。2022/08/27
とふめん
7
www.tohumen.com 経済学者が笑いが生まれる原理を分析。 不自然さをどう捉えるかで笑いにもなれば不快にもなる。 笑いと心理は深く関わりがありそう2021/08/07
袖崎いたる
7
「笑いには、過去の出来事へのこだわりを氷解させ、無益な怒りを取り除く働きがある。チャラにするという表現が誤解を与えてしまうかもしれないが、この先ずっとかかわっていても苦しいだけで、かといって自身にその問題を解決する能力がないのであれば、さっさとチャラにしたほうが身のためであり社会のためでもある。笑いというすぐれた浄化作用をもっと積極的に活用すべきだろう。」(186)──これがハイライトだな。笑い事に変えられるかどうか。逆を言えば、あえて笑ってみせる態度を取れるかが生きる上での大きな秘鑰になる。2019/12/23
たこ焼き
5
理解が難しいボケを理解したときに人はその脳の負荷からの解放を感じて強く笑う(わかりやすいボケはその分笑いも小さい)。つっこみはあえて理解が難しいボケをして、つっこみでそのボケへの理解を促すことで大きな笑いが起こるポテンシャルを持つ大きなボケを理解させる。失敗や非常識、予測との不一致は不自然なので笑いの対象だがそれに対して聞き手側が痛みを伴うと笑えなくなる。ユーモアの創出には知性よりも外向性が求められる(相手とのつながりを求める意思の強さ)2024/12/26
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