ワニブックスPLUS新書<br> 交響曲「第九」の秘密 - 楽聖・ベートーヴェンが歌詞に隠した真実 -

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ワニブックスPLUS新書
交響曲「第九」の秘密 - 楽聖・ベートーヴェンが歌詞に隠した真実 -

  • ISBN:9784847065941

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内容説明

日本では年末の演奏が恒例となっている、楽聖・ベートーヴェンの交響曲『第九』。
2018年6月1日には日本での初演奏から100年という記念すべき日を迎え、また現在までの聴衆者は世界で10億人を超えるとも言われている。

しかし、合唱部『歓喜の歌』の歌詞の“本当の意味”を知る人は、世界中を見回しても少ない。
今日まで、『歓喜の歌』の歌詞はキリスト教的な意味での神を称えていると考えられてきたからである。

そこに異を唱えるのが、ドイツ人研究家の著者、マンフレッド・クラメス氏である。
ベートーヴェンが生きたヨーロッパ近世の時代背景を丹念に考証し、ドイツ語の歌詞を入念に調べ解釈すると、まったく違った意味合いが浮かびあがってくるのだ。

神秘のベールに包まれた、ベートーヴェンが伝えたかった“真実”とは果たして?
その真実は、それを知る人間に「無限の喜び」を与え、より深い充足感と心の安らぎを約束する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

92
異色の第九論です。著者は日本で10年以上心身症と東洋哲学を学んだ方です。ベートーヴェンの生い立ちや時代背景のほか、日本での初演にも触れています。後半はシラーの詩の中に隠したベートーヴェンの想いを分析し主張しています。まさか分析の引用に宮本武蔵まで登場するとは思いませんでしたが。発刊の辞として、駐日オーストリア大使が書いているのは驚くとともに、人脈の広い著者なんだなと思いました。なかなか面白い視点でした。2024/12/15

あすなろ

71
我が国において、第九は第一次大戦後のドイツ人捕虜達が演奏してもたらされ、その後学徒出陣の壮行の際に演奏。それが戦後生きて帰れなかった学生達の為に年末に演奏され、それが毎年に波及。そうした政治的利用等もされてきたが、ベートベンの本意に在らずと著者は言う。そもそも革命的意図を秘めたシラーの詩を愛読してきたベートベンが大幅改訂したこの第九・歓喜の歌は、友よ!から始まり、兄弟達よと呼びかけ走れ自らの軌道をと急ぎ立てる。その上で止まらず諦めずに走れ、理想郷はすぐ目の前にあるのだから、と我々に永遠に説く音楽なのである2023/01/15

にゃこ

10
完全な自己啓発。まるでベートーヴェンという名の新興宗教(筆者は怒るだろうけど)。 それでも、第九の歌詞の解釈自体は新鮮で目から鱗が落ちるばかり。第九を歌う中で参考にできればいいな?2018/12/17

またの名

9
どんな恋人やお金やカウンセリングも不要の究極癒しエネルギーを第九が細胞に充電してくれる、とか開いてすぐのページからスピ系爆走で笑顔を禁じ得ない。これまで神を呼ぶ表現として注釈されてきた所有冠詞deinについて、キリスト教的意味合いを否定しFreude歓喜を指すと解釈するのはフリーメイソン絡みの話とも繋がって面白かった。しかし聖書でも使われヘブライ語由来とされるCherub智天使を、教会と無関係なギリシャ神話の単語だと言い切るのはもしかして、愛の神クピドと混同してるのでは(後世でしばしば誤認されたらしい)。2021/12/30

ikedama99

9
ベートーベン第九の曲や合唱の歌詞の解釈は多々あるが、このようにキリスト教的な解釈とは異なるものには初めてふれた。これまで、3回合唱に参加したがこのような解釈はなかった。(楽章のつながりは、聞いたことがある内容ではあった)ただ、うなずける部分はある。「悪用された第九」の章は、本文中にあるように「大いなる皮肉」だ。解釈の一つとして面白い。なお、前半の「第九日本初演奏の奇跡」は読んでいて、もっと知りたくなった。2018/12/20

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