内容説明
編み物は,フェミニズムや社会運動を支えるツールでもあった.フランス革命時のトリコテウス,アメリカ革命時のスピニング・ビーズ,大戦時のニッティング・スパイ,トランプ政権時のプッシーハット・プロジェクト…….個人と政治,愛と経済を結びつけ,社会を幾度となく編み直してきたパワーの歴史をたどるエッセイ.
目次
著者の言葉
イントロダクション 愛,政治と経済を編む
1 なぜ編み物をするのか
2 糸の檻を開ける
3 革命のために編む
4 フェミニズムと糸の愛憎関係
5 ウール・イズ・クール
6 編み物のネットワークの魔法
7 神経科学時代の編み物
8 ともに編もう──社会を編み直す
エピローグ 必要なのは愛だけ
謝 辞
訳者あとがき(佐久間裕美子)
パターン(西村知子 訳)
注
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
43
言葉にならない幸福感に溢れる本だった😭このタイミングで読めて本当に良かった本!!!本書は編み物に関するエッセイとなります!そのように書くと編み物の編み方やどんな作品を作ったかとかにフォーカスすると思う。しかし、違う!本書はなかなか稀有な作品。例えるなら本書は1つのブランケットだと思う。縦糸は祖母と著者との編み物の思い出。横糸は編み物をしていた女性などの歴史や経済。これで紡がれた本書(ブランケット)で、私たち読書を温めてくれるそんな感じがする😆2025/05/02
あやの
35
私は編み物はできない(手芸は少しやる)のだが、個人的な趣味としての認識が強い編み物が、社会的にも精神的にも様々に役割を果たしてきたことに驚いた。戦時中の兵士の靴下として規格まで決められて提供したり、環境運動の象徴になったり、そんなことまでに利用されていたとは……。更には数学・物理学的にも意味があるとか、編み物、深すぎる。筆者は精神的に辛い時に編み物に救われたことから、その意味について多角的に考えるようになったとのこと。「世界平和には編み物」。一見繋がらなさそうだが、強ち関係ないとも言えないなと思った。2025/08/02
こばやし
27
読んでる途中に10年ほったらかしにしていた毛糸を編み始めた。母に編み方を教わってから数年して、自分でもう一度編み始めたのだが、半分ほど編んだところで、思っていたような素敵なものになっていないことに気づき、編むのをやめてしまっていた。この本を読んで、ほどいてやり直せるのが編み物の良さだなと気づいた。編み物には歴史があり、世界中で行われている活動で、文化であり、経済活動であり、生活を支える高度な技術で、環境活動で、政治活動でもあると思ったら、また編み始めることで、その活動の一部になることを誇りに思った。2026/03/01
くさてる
26
私個人は編み物とか手芸をまったくやらないのだけど、母や祖母はとにかく作る人だったし「趣味」が女性に与える影響やその意味というテーマには常に興味があるので、面白く読んだ。あまりに身近であるがゆえにそれ自体の持つ力や意味を見過ごされがちなものに視線を向けることで生まれる気づき。もっとたくさんのいろんな立場の人に語ってほしいテーマだと思った。2025/04/01
kakoboo
21
編み物に関する様々なエピソードを著者の専門社会学と織りなして徒然に記されたエッセイ集。歴史書でも単なるエッセイでもなく真新しいジャンルに出会ったような新鮮さを感じます。社会運動がどういった経緯で発生したのか、そこにまつわるエネルギーが溢れています。内容は話のネタ的になりそうなものが多いですがネタにするだけでなく糧にもなりそうです。ちょうど橋本治さんの本(キンピラゴボウ)を買おうとした時に、そういや橋本さん編み物の本書いてたなと調べてみる偶然にも束の間の高揚感を感じました。積読チャンネルやるな…2025/06/22




