内容説明
留学・移住先として日本での人気は高いが、実情は知られていないカナダ。
食糧やエネルギー豊かな資源大国、ノーベル賞学者を育んだAIや量子技術の開発国、地球温暖化対策の先進国、そして移民立国など多様な側面を持つ国の光と影を紹介。
「アメリカの51番目の州」との揶揄もあるが、自由・民主主義・人権重視をわが国と共有する外交パートナーとして存在感を高めている。
未来の「準超大国」の可能性と課題とは?
はじめに――知られざる未来の「準超大国」の実力
序 章 カナダ――50年余の歩み
第一章 資源大国の実力―食料からエネルギー?鉱物まで
1自給率230%を誇る世界の食料庫
2エネルギー――国家存続の核心
3重要鉱物―温暖化と地政学の交差点
コラム① 恐竜と石炭と古生物と
第二章 知られざるハイテク先進国―AIから量子まで
1AI国家戦略
2量子を制する者が世界を制す
3最先端技術をビジネスへ
コラム② シルク・ドゥ・ソレイユ
第三章 移民立国の理想と現実
1移民国家カナダの誕生と発展
2現在の移民制度の概要
3「過剰な移民」という世論をめぐって
コラム③ 柔道とカナダ
第四章 地球温暖化対策への挑戦と苦悩
1トルドー政権の取り組み
2グリーン・エコノミー最前線
3地球温暖化対策をめぐる国内の難題
コラム④ ジョニ・ミッチェルの音楽的冒険と予言
第五章 ミドルパワー外交の地平
1カナダ外交を読み解く3つの視点
2南の巨象・アメリカ合衆国
3インド太平洋戦略
コラム⑤ メープル・シロップ
終章 日加関係の「新しい時代」へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
70
自分と同世代の現役駐カナダ大使によるカナダの概説書。経済畑にいた外交官のようで、経済や産業について詳しく、CO2を地中に封じ込める技術については初めて知った。また、歴代の政治家の話や、移民政策の推移など興味深い話が多く、コラムでジョニ・ミッチェルを取り上げているのも世代的親近感を覚えた。ただ、どっぷり外交畑に浸かった官僚らしさも。特に原子力を「クリーンエネルギー」とする言説は、3.11以降原子力政策に前のめりな自公政権に通じる。確かにCO2は出さないが、放射能は出す。それを「クリーン」と言い切るのはねぇ。2025/02/07
南北
43
駐カナダ大使の著者がカナダについて天然資源・ハイテク・移民・環境政策などの切り口から概要を述べている。特に移民については住宅価格の高騰や社会保険料の上昇などの問題があるため、これ以上の増加を望まない国民も増えてきているが、現在の自由党政権は今後も移民を増加させる政策を続けていくことだろう。環境問題についても言えることだが、外交官としての制約があるとは言え、負の側面についての言及がやや少ないように感じた。2025/05/29
よっち
30
留学・移住先として日本での人気は高いものの、実情はあまり知られていないカナダ。未来の準超大国の可能性と課題を現役カナダ大使が紹介する1冊。その設立の経緯に始まり、自給率230%を誇る世界の食料庫、天然ガス第5位の生産国、重要鉱物ウランを巡る資源大国の実力と現状。AI国家戦略や量子技術をビジネスに活用するハイテク先進国の一面、移民立国の理想と現実、地球温暖化対策への挑戦と苦悩、カナダ外交を読み解く3つの視点、日本との関係など、自国が目指すべき方向をはっきり定めて、それに向けた試行錯誤が感じられる1冊でした。2025/02/11
スプリント
12
カナダの可能性を知ることができる。 トランプ大統領の脅しに屈せずに北米の大国として頑張ってほしい。2025/02/24
fseigojp
10
やはりアメリカに近接しているのでIT技術の相互交流が容易なようでAIや量子は先端を走っているげな2025/01/21
-
- 電子書籍
- 元ヤン農家と失恋幼なじみ【全年齢版・タ…
-
- 電子書籍
- ふたたびヒロイン(5) .FiZZ
-
- 電子書籍
- ハマらない夫婦 ~私たちは一つになれな…
-
- 電子書籍
- 僕はメイクしてみることにした 分冊版(…
-
- 電子書籍
- 地図にない国を行く - 進出する中国資…