内容説明
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睡眠薬で不眠症が治らないのならどうすればいいのか? 多くの医師は不眠症の治療において睡眠薬しか選択肢を知らずに見よう見まねで処方をしている。スタンフォード大学睡眠医学センターで不眠症を治療してきた睡眠専門医の河合真医師が睡眠医学の知識と不眠症の特性をひも解き、「不眠症の治癒(=睡眠薬の中止)」に至るまでの考え方を解説する。
目次
著者・まえがき
1章 睡眠薬に関する問題を整理しよう
2章 睡眠ってなんだ?:睡眠と覚醒の本体
3章 睡眠ってなんだ?:睡眠と覚醒を動かす原動力
4章 不眠症の何にアプローチするのか?
5章 睡眠薬の適応症:慢性不眠症における睡眠薬の役割を考える
6章 睡眠薬の適応症:慢性不眠症と主な睡眠薬についての詳説
7章 睡眠薬の副作用は睡眠薬選択の大切な基準
8章 入院中での睡眠薬処方をどうすべきか?
9章 外来での睡眠薬処方をどうすべきか?
10章 睡眠薬の中止の方法:中止のための大切な下準備
11章 睡眠薬の中止の方法:中止に取りかかるとき
この本の終わりに
編集協力・あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
101
不眠症には睡眠薬では問題の解決にならない。むしろ睡眠薬を止めることの方が難しい。そもそも睡眠とは何かを知らずに、製薬会社の宣伝に踊らされ新規薬を処方すると、後にわかる副反応に慄くことになる実例がある。なぜ抗ヒスタミンは眠気を催すのか考えたことがなかった。覚醒にはヒスタミン、オレキシン・ハイポレクチン、ノルエピネフリンなど様々なフレーバーがあり、睡眠はGABAとアセチルコリンだけが司る。覚醒と睡眠にはシーソーの関係があり、それを動かすには概日リズム、恒常性の睡眠ドライブが関係する。痒いところに手が届く良書。2022/11/25
Iwata Kentaro
11
献本御礼。いや、反省。睡眠のメカニズム、勉強不足。ゾルピデム、無批判に出してる。さすがにベンゾは不眠にはほぼ出さないし(他の理由には使う)、漢方薬も駆使しているが、不勉強の事実は免れぬ。睡眠薬を出さない医者は少ないだろう。必読。2022/12/15
バナナフィッシュ。
3
体系的にまとめられていて、とてもタメになる。どんな症例でも、ある程度寛解状態には持っていけるところに希望を感じる。2024/02/23
アリミノ
1
本の内容や著者の語り口調からも、この本は睡眠薬を処方する可能性がある医師に向けて書かれたものだとわかる。医師がどのように考えて睡眠薬を処方しているのか、なぜ簡単に薬を変えないかなどを知ることが出来る本。 覚醒と睡眠はシーソーになっている。睡眠薬だけ飲んでも改善はしない。メラトニンが概日リズムには効かないのは知らなかった。サプリメントは例外と曖昧さがある。睡眠薬は排出されると効果がなくなる。 睡眠日誌の導入や刺激制限、睡眠制限療法の導入、アンカータイムを決めること。 日本は睡眠の行動療法が保険対象外で残念2023/11/06
ソーシャ
1
慢性不眠症の薬物治療の考え方、中止の方法について基本的な考え方をわかりやすく解説した一冊。極論シリーズのスタイルで解説されていて、短時間で不眠治療のエッセンスをつかむことができます。ただ、ちょっと誤字が多いのが気になる・・・2022/12/31