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内容説明
アラスカを拠点にして、野生動物や自然を撮りつづけてきた星野道夫。道夫が撮った写真には、単なる映像を超えたものがある。そこには、永遠のいのちがあり、見る者に、安らぎや慰め、エネルギーを与えてくれる。道夫は、1996年8月8日、ヒグマに襲われて亡くなった。四十三歳の生涯であった。道夫はなぜ、アラスカを拠点に写真を撮りつづけてきたのだろうか。著者の国松氏は、アラスカ行きを決めた時の道夫の心境を、本書で次のようにまとめている。「はるか遠くから、アラスカが道夫を呼んでいた。その声がはっきり聞こえた。いま道夫がいちばんやりたいこと、それはアラスカへ行くことだった。アラスカの大きな自然のなかへ行って、自分にしかできないことをやる。それがいいと思った。」本書は、今なお多くのファンをもつ伝説の写真家の生涯を、写真も交えて、小学校高学年から読めるような形で紹介する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鴨ミール
47
星野さんの著書は何冊も読んでいるが、星野さんのことを書いた本はあまり読んだことがなかった。この本は児童書であるため、ふりがなもついているし星野さんのことを知るためにはとても役に立つと思った。星野さん自身の写真も、見たことのない若い時代のものもいくつかありました。今年は学校で読み聞かせのときに、高学年で星野さんのことを紹介したいと思っている。次の世代に伝えることが、読み聞かせの役目だから。2023/01/23
ぶんこ
45
巻末に奥様の「今まで知らなかったエピソードや夫の一面を知ることができました。」の言葉に、この本の最大の利点が表されていると感じました。改めて多くの人に好かれて、自然と力になりたいと思わせる方だったと痛感。高2でのアメリカ一人旅を許した父、家族が祖母を大事にしていたからの老人との親しい交流。シシュマレフ村への直訴は有名ですが、同時に7つの村へも出していた!アラスカ大学入学に30点足りなく入学不可となり、学部長に直訴。夢を諦めない強い意志。最高の写真を撮る為には何日でも待つ忍耐。この本が児童書とは思えない。2023/04/13
けんとまん1007
24
一連の素晴らしい作品の背景にあるものが、とてもよく伝わってくる。子どもの頃からのことがあっての作品だと思った。本人、ご家族、様々な出会いや、環境など、いろんなものの結晶。自分で思ったことを実現するための努力が凄い。生半可なものではない。それと、苦しいことの中にも、楽しみを見出す力が素晴らしい。写真をおとして、彼がうった続けたものはなにか。それを、考えずにはいられない。2016/07/10
izw
13
自分のやりたいことを出来るまで諦めない星野の姿に感動する。星野の写真は見ているはずだが、星野道夫という写真家を意識することはなかった。改めて、星野の写真集、著作を読んでみたい。2016/06/19
ろくべえ
11
★★★☆☆ 小高〜 6年生『森へ』からのブックトークで紹介。星野さんが一つ一つ自分の夢を実現していく過程がわかりやすく書かれており、親友の死への苦悩や、細かいエピソードなども盛り込まれているが、伝記にありがちな、出来事の羅列感は否めず、ドラマチックな星野さんの人生が今ひとつ伝わってこないように感じてしまうのは、星野さん自身の著作の力が凄いからなのか。星野さんの言葉を引用した直子さんのあとがきの方が印象的。2018/06/28