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内容説明
■「煩悩」は悪いことか?
みなさん「煩悩と聞いてどんなイメージを持ちますか?」
「もっともっとお金を稼ぎたい」
「他人を蹴落としてでも出世したい」
「旨いメシをたらふく食いたい」
怒り、妬み、うぬぼれ、などなど
人間には数限りない煩悩があり
数にして「108」あると言われています。
煩悩はどうやら悪いことのようです。
だから、書店では「煩悩を消す方法」を説いた書籍を
よく見かけます。
でも、はたして我々は
「煩悩を消す」ことができるのでしょうか?
結論から言って・・・無理です。
なぜならば、煩悩を消すイコール悟りを開くこと。
ハッキリ言えば、「死ぬこと」でしか
煩悩からは解放されません。
ある老人ホームでのエピソード
ある老人ホームでこんな話がありました。
職員の方が残念そうに、こうおっしゃったのです。
「屋上で草花を楽しめるようにと、プランターに苗を植えたのですが
どなたも関心を示さないんですよ」
朝夕に水をやって素敵な花を咲かせる。
あるいは野菜を育てて収穫する。
これこそ「煩悩」のなせるワザではないでしょうか?
「花を咲かせたい」「収穫を楽しみたい」
という原動力は「欲」です。
煩悩です。
ところが、この老人ホームに入居していらっしゃる方々の多くは
その「欲」がない。
花が咲こうと咲くまいと、どうだっていい。
関心そのものがないのです。
■煩悩は「生命力」だ!
欲も関心事も加齢に反比例していきます。
これを「老いる」と言うのでしょう。
老いにつれて、煩悩の業火も弱まっていきます。
言い換えれば「煩悩は生命力」ということになります。
「こうしたい、ああしたい」という欲は
生命力と表裏一体なのです。
「成功したい」
「お金を稼ぎたい」
「有名になりたい」
「理想の異性をゲットしたい」
「生きる」とは、煩悩を相棒とし、
「煩悩と二人三脚」で歩くことを言うのです。
二人三脚の相棒を嫌いながら歩いたのでは、
人生が楽しくなるはずがありません。
この相棒はちょいとヤンチャなところがありますから
「一緒に楽しみながら人生街道を歩こうぜ」
となって初めてハッピーになるのではないでしょうか。
煩悩を肯定し、自分の手のひらで転がしてこそ、
人生の楽しみがある、ということなのです。
●目次
プロローグ
私たちはお釈迦さんではない
煩悩は「生命力」だ
煩悩と悟りは“一心同体”
煩悩と二人三脚で歩けば人生は楽しい
煩悩には“二つの矢”がある
そもそも「煩悩」とは何か
煩悩があるのは人間だけ?
先人は煩悩を「言い換え」によって活かした
第1章〈むさぼり〉と戯れる=貪
第2章〈怒り〉と歩む=瞋
第3章〈無知〉を知る=痴
第4章〈比較〉を笑う=慢
第5章〈疑い〉を喜ぶ=疑
第6章〈偏見〉を弄ぶ=見
エピローグ
ないものねだりをしてはいけない
方法論は三つ
夏目漱石の手紙
感想・レビュー
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chie
Shinya
黒木 素弓
ゆうゆう