内容説明
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あらゆる物質は、原子の組み合わせでできています。原子が物質の中でどのように配置されているかを知り、その物質が持つ伝導性や磁性といった性質との関係を深く理解できれば、より高度な機能を持つ物質を設計することも可能になります。“普通の物質の普通の性質”を明確にすることで、個々の研究で問題になるような特殊な性質を浮かび上がらせることを目標とし、伝導性や磁性と原子配置がどう関係するかまで解説しています。本書は2部構成となっています。第 I 部では、格子系に注目して固体物理を整理します。物性と構造の関係を概観し、重要項目をまとめます。 第 II 部では、X線回折での構造観測法を解説します。理想的な回折理論だけでなく、試料によるX線の吸収、多重散乱などの現実的な現象についても述べています。実験を進めるにために必要な知識が身に付く一冊です。
目次
第 I 部 構造に着目した物性物理
第1章 原子間に働く力
第2章 熱的性質
第3章 電気的性質
第4章 磁気的性質
第5章 相転移
第6章 構造に対する摂動
第 II 部 構造観測法―X線回折理論
第7章 結晶からのX線の回折
第8章 現実の結晶に対する回折実験
第9章 構造解析
第10章 超格子反射
第11章 表面構造解析
第12章 散漫散乱
付録A CDWと格子変調の相互作用
付録B 実空間と逆空間との接続
参考文献
索引