- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
「孤独」な探偵マーロウを通して浮かび上がる、「自分の居場所」を探し続けたチャンドラーの人生。
<マーロウ>シリーズにおける「ハードボイルド」のイメージのゆらぎに着目し、
伝記的情報とともにレイモンド・チャンドラーの成長と変化、実存に迫る画期的挑戦。
詩やエッセイ、パルプ作家時代の短編から映画シナリオまで徹底分析。
ファン必読必携、チャンドラー研究の完成形にして決定版!
「フィリップ・マーロウという名前を見るだけでときめく。
ぼろぼろの現実を忘れさせてくれる「夢の男」。
文学史上一度だけ現れた幻とさえ感じていたけれど、
本書によって、その誕生の秘密を知ってしまいました」
――穂村 弘
第一講 イントロダクション
第二講 チャンドラー以前のチャンドラー 詩とエッセイ
第三講 パルプ作家時代 短編小説
第四講 マーロウ登場 『大いなる眠り』
第五講 シリーズの始まり 『さよなら、愛しい人』
第六講 弱者の味方 『高い窓』
第七講 戦争の影 『水底の女』
第八講 チャンドラー、ハリウッドへ行く 映画シナリオ
第九講 依頼人のいない世界 『リトル・シスター』
第十講 キャリアの集大成 『ロング・グッドバイ』
第十一講 チャントドラー文学の到達点 『ロング・グッドバイ』
第十二講 未完のプロジェクト 『プレイバック』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
120
チャンドラーは学生時代までにひと通り読んだが、それほど惹かれなかった。マーロウもハードボイルドの私立探偵としては気取った男で、アメリカ人らしくないとすら思えた。しかし彼が英国で12年を過ごして英文学の素養を身につけ、酒と女に溺れる生活無能力者という背景を持ちながらロサンゼルスの作家になったプロセスが、単純な非情やノワールではない独自の文学世界を生んだのだと理解できる。貧民窟や裏社会でないロスの上澄み付近を、情に厚いが根無し草の男が彷徨う姿はチャンドラー本人の肖像画であり、都会小説として評価されたとわかる。2025/01/25
くさてる
15
まさに「講義」という名にふさわしい、チャンドラー論。自分でもほぼ読んでいるはずの作品がこういう風に分析され、語られていくことに新鮮な部分がたくさんあって、とても面白かった。こういう文学部の講義があったなら学生時代に受けたかったな。2025/02/12
まっつー(たまさか)
8
自分がいかにチャンドラー(フィリップ・マーロウもの)を「読めて」いなかったか痛感しました。目から鱗がポロポロ落ちた気がします。「作家としてのチャンドラー」とその作品を理解したいなら、マストリードでしょう。今後、この本の認識がチャンドラー理解のスタンダードになるかもしれないですね。2025/01/03
西村章
5
おれはいったい今までチャンドラーの何を、どこを読んでいたのだろう、と考え込んでしまわざるを得ない、じつに深く鋭い洞察と解題で、諏訪部さんの本は『「マルタの鷹」講義』も『ノワール文学講義』もそうだけど、もういちどこの著者の本をいちから読み返したいという気にさせてしまうところもすごい。感服しました。2024/12/26
亜済公
2
チャンドラーという作家の全体像が浮かび上がってくる。ダシール・ハメット『マルタの鷹』とチャンドラー『大いなる眠り』を読んだ時、なんだか似たような小説だなぁと思ったのだが、丁寧に読むと両者が(たとえば、ハメットの主人公に描かれるような葛藤の背景がチャンドラーにはない点などで)違っていることがわかり、面白かった。2025/09/05




