内容説明
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リスク・・危険、恐い、といった漠然とした不安感に苛まれて久しい現代社会。しかし、リスクのない技術、生活はなく、ゼロリスクはないのである。いま私たちに必要なのは、危険だ危険だと不安になることではなく、有害な影響が発生する可能性を最小限に食い止めるには何をすればよいのか、合理的な情報やデータにもとづいた理性的な対話、議論に裏打ちされたリスクにもとづく意志決定である。本書は、「リスクの考え方」を化学物質に焦点をあてて入門者や初学者にもわかるよう丁寧に解説した。この考え方こそ現代社会にはもっとも必要で、成熟した考え方を、ひいては成熟した社会を形成するのである。本書はその一助を担うリスク論であり、リスクマネジメント、リスクアセスメントを始める前に読んでおきたい本。
目次
第1章 長生きするのも「リスク」? ・・リスクってなんだろう
第2章 青酸カリにも出番あり? ・・ハザード管理とリスク管理
第3章 風が吹いたら桶屋が儲かる? ・・リスク評価のシナリオ
第4章 この臭いの原因は,あれかな? ・・直接暴露
第5章 ここはどこ? あなたはだれ? ・・間接暴露
第6章 ミクロのツアー・・摂取・吸収・体内動態
第7章 「リスク」は「クスリ」の逆!? ・・健康影響
第8章 メダカの学校のアスベスト? ・・環境生態影響
第9章 人生いろいろ,この世は不可解? ・・変動性と不確実性
第10章 1より小さいと倒壊? ・・リスクの判定
第11章 ハラがへってはいくさができぬ ・・データベースとシステム
第12章 こんなんでどや? こうとちゃう? ほんならこれでいこか! ・・リスクを越えて合理的な意思決定にむけて