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内容説明
一年の収支決算日である大晦日その日の事件を軸に、貧乏に追われる庶民の悲喜劇を描いた「連作短編小説」。六軒の裏長屋住人のその日暮らし、正月飾りのことで息子を叱る隠居婆、亭主の入れ替わりで借金取りから逃れようとするもの、絶望にたえる貧者とその女房の夫婦愛など。落語のようなオチを交え、無名の人々の滑稽さや可笑しさを、愛情にみちたまなざしで掬い取った傑作をリアルにストレートに伝える関西弁での現代語訳。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
巨峰
42
井原西鶴の晩年の作品で、大みそかの日を舞台に商人同士のお金のやり取りを描き出す。現金だけで商売できたらいいけど、そうじゃない。掛があるから商売を膨らませることができるけど、やりすぎると破綻を招く。今回表面をなぞる様な読み方しかできなかったけど、商売を志す人は熟読したらよいかも。コメディですね。それから語り口が独特で、だけど整理されていて面白い。2025/02/24
そうたそ
8
★★★☆☆ 今年はこの一冊で読み納めにしようと決めていた一冊。何せ、本書の舞台は大晦日。大晦日の一日、貧乏と借金に追われる一般庶民たちの悲喜劇が描かれる。何とも景気の悪い話ではあるが、西鶴ならではの滑稽さ、可笑しさが十分に味わえる内容となっている。訳者による解説も読み応えたっぷりで、本書の理解を深めるのに最適。この流れで是非とも「日本永代蔵」も古典新訳文庫から刊行してほしいところ。2024/12/31
Ta283
1
関西弁の新訳2025/05/19
茶々丸
1
以前に読んだ同じ井原西鶴の「好色一代男」とはがらりと異なり、大晦日の借金取りから逃れようとあの手この手を策す町人たちの滑稽な姿を描いている。 元禄時代の話とはいえ、本書の舞台となっているのは大半が大阪、京都といった上方。この辺り、江戸の借金取り、町人の気質とはまた異なるのだろうか。 著者による解説で、元禄時代は(一般的なイメージである)繁栄とは裏腹の暗い時代だった、とあるのは個人的には盲点であった。なんか、派手派手なイメージを勝手にしていた。2025/01/19
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