内容説明
数とは文化的に創られたものではなく、ヒトに生まれつき備わる能力=数覚が関与していた! 内なる数的処理の仕組みを解き明かす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
原玉幸子
22
言葉を話せない幼少期(や赤ん坊!)でも、又、人間以外の動物にも数覚がある、との論説ですが、実験結果が表す数字に関する感覚(=数覚)が、例えば、何気に使っている左から右が大きさの感覚と結びついている(ペルシャ語は逆!)ことや、共感覚としての数字と色味、各言語と数覚の関連)、大体を把握する等々、「あぁ成程」、「ええぇ、そうなの!」と其々が結構面白いです。将棋脳だけが分かる将棋の世界というものがあり、同じく凡人には分からない数覚が彩る数学の世界もあるのでしょう。(◎2025年・春)2025/03/16
Kooheysan
6
心の中の数量の感覚=「数覚」(ある程度の数なら動物でも赤ちゃんでも把握可!)とシンボリックな数字の関係、そして、一般人に数学は耐えられるのか(今の数学に何となく置いてけぼりをくらっている…という戸惑いを持っている人は多いと思います)、という視点で読んでみました。豊富な実例と知見も興味深いです。訳出の巧さと併せて、ある程度の熱意があれば数学は得意になる(はじめに)とか、数学への情熱があれば才能はついてくる(第6章)などの優しい記述が、個人的に何とか読み通せた大きな要因でした。2025/02/28
けつねうろん
2
日常生活に入り込みすぎて普段はあまり意識していない「数」を人間が意識する仕組みである「数覚」について、徹底的に調査・考察する本。人間が数を対数ベースで感覚的に把握しているというのは、聴覚神経が音圧を対数でエンコードしているという話とも符合して納得できるが、具体的に小さな数の違いと大きな数の違いに対する反応時間の差として示されると非常に説得力がある。日本人の計算能力の高さは日本語による数値表現の簡単さに起因しているというのも納得の事実。しかし本読みにとって頁数という数も独特な把握のされ方をしている気がする。2025/07/26
Mits
2
人間が外界の情報を把握するための視覚や聴覚のような感覚として「数覚」が先天的に備わっているものらしい。 先天的なのは、見ただけで少ない数をパッとわかる能力と、沢山あるもののだいたいの数をアナログに把握する能力の二本立てで、そこにひとつひとつモノを数え上げる経験を加えることで数覚は完成するそうな。さらに九九などのように簡単な演算を言葉として憶えることで人間は暗算ができるようになる。なるほど実にしっくりとくる説明だ。 最近のfMRIによる成果も追記され、大変わかりやすい本だった。2025/04/02
Go Extreme
2
数の認識は生得的な直感に根ざす 人間の脳は進化の過程で数を直感的に理解・操作するためのメカニズムを発達 数の認識能力の進化 赤ちゃんー基本的な数の概念理解 直感的数覚ーおおよその数把握 文化的影響と数表現ー言語の違い→数の処理速度 象徴的数理解の発達ー数字や記号→数学的思考 動物の数の能力 数の正確性と曖昧さ 脳の数処理メカニズムー下頭頂小葉 数の処理速度ー発音時間が短い≒数の記憶容量大 教育と数覚の発達 計算の自動化 数覚の障害ーディスカリキュリア 大きな数の直感的理解の限界 視覚的数覚 計算機と脳比較2025/01/10
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