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内容説明
2025年の干支は実に奥深い生き物だった。
ヘビと聞くと、人々はどんなイメージを持つのだろう。
「怖い」「嫌い」という感情を抱く人もいるだろうし、「細長い」「ニョロニョロしている」「毒牙がある」といった生物学的な特徴を思い浮かべる人もいるだろう。
神話や伝承のエピソードから「ずる賢い生き物」を連想する人や、同様の理由から逆に「神聖な生き物」と考える人もいるかもしれない。
このようにヘビという生き物は、人間に様々な想像をかき立てさせる。
ところが、人間は「生き物としてのヘビ」のことをあまり知らない。
「手足がないのになぜ前に進めるのか?」
「ヘビの頭と胴体と尻尾は何が違うのか?」
「ペットとして飼ったら懐いてくれるのか?」
──そんな素朴な疑問に答えられる人は多くない。
本書では、日本で唯一のヘビ専門研究所「ジャパン・スネークセンター」の研究員たちが、この不思議で奥深い生物について、さまざまな角度から解説する。時には話がニョロニョロと脱線し、“蛇足”のような逸話も盛り込みつつ、ヘビの魅力を語り尽くす。
彼らが「主役」となる2025年を控え、必読の一冊!
※この作品はカラーが含まれます。
(底本 2024年12月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
98
毒・鱗・脱皮・驚きの秘密について。ジャパン・スネーク。センターというところが監修している。本能的に蛇は苦手という人が多い、チンパンジーでも蛇のおもちゃで怖がっていたりする。しかし世界の蛇の大きくはひっそりと生きているものが多い、東南アジアなどでは、ネズミが増加しているのを制御している面のある。しかし猛毒の外国産の蛇をアパートで飼っている人もいる。もし逃げたら大変なことになる。そこは法律を守って飼育すべき。という私も小さいけど蛇を飼っていたけど。脱皮した皮を持っていたがお金の縁は無かった。図書館本2025/01/19
読特
44
1位のヒト、2位の蚊に次いで3位となる。ヒトを殺した生物ランキング。毒を持つのは全体の2割。恐れるのは本能なのか。違法に飼育して、逃げ出す事件は過去に何度も。飼っても懐くことはない。それでもやっぱりこの生き物が好き。十二支の1つ。そして今年はその年。嫌われたり、好かれたり。当の本人は本能に従って行動しているだけ。知っているようで知らないヘビの世界。実は意外に奥深い。群馬県太田市にある”ヘビ専門”動物園。創設から50年以上の日本蛇族学術研究所が管理する。行ってみたい。そして、その魅力にとりつかれてみたい。2025/03/02
たまきら
41
読み友さんの感想を読んで。今年の干支・ヘビを語るならやっぱり群馬・ジャパンスネークセンターの研究者さん達がふさわしい!簡潔でありながら科学的にも文化史的にも、そして困った飼い主に翻弄されるヘビのシェルターとしての側面まで、膨大な情報が網羅されている内容で大変面白かったです。冒頭の研究員紹介でまず大笑い。「毒ヘビにしか興味がない」人、「身も心もヘビ化しウロコが生えそうで心配」な」人…あはは!あと、研究所がマムシ酒を製造販売していた会社の支援でできたと初めて知りましたー国立じゃないとは!!2025/01/22
OHモリ
18
今年はヘビ年! ということで『ヘビ学』を読んでみたら驚きの連続。アオダイショウやヤマカガシが属する「ナミヘビ科」なるものを初めて知り、ヘビには耳も瞼もないと知り、さらには「トカゲが足を捨てて進化したのがヘビ」という衝撃の事実に震えた。毒の種類も奥深く、ヤマカガシは噛まれても痛くないのが怖い。ヘビはトカゲよりエライのだ! 感想はこちら👉 https://plaza.rakuten.co.jp/drunk4374books/diary/202503250000/2025/03/13
とんかつラバー
16
新年早々面白い本!何かと嫌われ者の蛇であるが(私は割と好き)生態や人間との関わりについて興味深い。蛇愛だけでなく、途上国では今でも毒蛇の被害が多く輸入手続きで血清を提供できなかった無念などが綴られている。血清は利益が少ないため大手製薬会社はノータッチ。こんなに社会に貢献している施設なのに政府や自治体からの援助は一切ない。毒蛇の被害は蛇そのものを駆除するのでなくて、人間の周りを蛇が嫌う環境にしておくのが有効(草刈り、隙間をなくす等)研究者視点でメデューサの髪の蛇の種類についての論議が面白い2025/01/14