内容説明
狂騒と退廃の昭和初期の色街探訪。
大震災後に増殖した新風俗の実態と、社交場の男女の乱倫を活写。
80年を経て新字新仮名にて初文庫化。〈解説〉下川耿史
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
つちのこ
33
満州事変が起こった昭和6年に発売されるやすぐに発禁となったといういわくつき。こうした貴重な資料が歴史の証人として復刊されたことには意義がある。関東大震災の復興を経て軍国主義へと突き進む状況の中で、エロ・グロ・ナンセンスは庶民の生きる力の表れであろう。全国に散らばる今はなき遊里や歓楽街のルポはそれだけでも歴史的価値があるが、その背景に若い女性の性風俗への積極的な進出は見逃せない。そこには性を楽しむ明るさを感じるほどだ。性の解放は民衆の鬱屈したエネルギーの発散だろうか。著者の軽快でタメ口満載の文体も心地よい。2025/06/10
ハチアカデミー
13
1931年に刊行されたエロ・グロ・ナンセンスの時代を体現する一冊。芸者遊びからカフェの女給の口説き方まで、高等なものから下等なものまで、モガ・モボは当然モジ(モダン・ジジイ)の生態まで、日本の風俗を体験談風に書き付けるルポルタージュ。「銀座」「浅草」「新宿/神楽坂」「両国」から魔窟街「亀戸」と東京都内を案内したあとは、「大阪」「横浜」「神戸」と地方都市まで紹介する親切っぷり。実際に旅行ガイド本としても読まれていたであろうことが推測できる。「銀座が東京の心臓なら、浅草は東京のお尻である」との迷言も飛び出す。2015/02/28
ポン・ザ・フラグメント
3
昭和初期の性風俗ガイドブックのようなもの。発禁本だといっても露骨な表現はない。伏字、書き換えになったのは、具体的な場所や金額、売春を示唆する文言である。最初はなかなか面白いが、後半関西に話が移ると著者のホームグラウンドでないからなのか精彩に欠ける感がある。昭和初期のカフェの女給のリアルな生態が知りたいなら、むしろ「つゆのあとさき」とか「放浪記」とか読んだ方が面白いんじゃないかと思う。解説を読んだら、この著者も「晩年は不幸」だった。誰か「晩年は不幸な作家アンソロジー」とか編まないかな。2016/01/14
ナツ
0
土地勘がある為か、大阪・神戸の歓楽郷の案内のほうが、東京・横浜より楽しめた。歓楽郷という事だが、カフェーや新地などのいわゆる風俗街以外にも、ハイキングの為の山の紹介や公園の案内もあるが、何れにしても結局は男女が二人きりになれる場所という事で紹介されているのが、なんとも言えず時代を感じる。2015/03/14
コノヒト
0
“探奇マン諸君!!”の一行で心をワシづかみ。ふと、江戸川乱歩『怪人二十面相』を思い出したのは、出版されたのがおよそ同時代だからだ。即ち、昭和モダニズムと呼ばれる時代。エログロナンセンス時代の空気をよく伝えるのは、現役感たっぷりの著者の軽妙な文章。2015/03/02
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