私が本からもらったもの 翻訳者の読書論

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私が本からもらったもの 翻訳者の読書論

  • ISBN:9784863854871

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内容説明

あなたが本からもらったものは何ですか?

「光文社古典新訳文庫」創刊編集長の駒井稔を聞き手に、8人の翻訳者が語る本にまつわる数々の思い出。

「WATERRAS BOOK FES」の「翻訳者×駒井稔による台本のないラジオ」待望の書籍化!

「最も原始的なタイムマシン、あるいは書物の危険な匂い」(貝澤哉)と「本箱の家」(永田千奈)、2つのエッセイも収録。

本は人生最高の贈り物である。読書のおもしろさを語り尽くした一冊。(書肆侃侃房)

【著者】
駒井稔
1956年横浜生まれ。慶應義塾大学文学部卒。1979年光文社入社。広告部勤務 を経て、1981年「週刊宝石」創刊に参加。ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。1997年に翻訳編集部に異動。2004年に編集長。2年の準備期間を経て2006年9月に古典新訳文庫を創刊。10年にわたり編集長を務めた。 著書に『いま、息をしている言葉で。──「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、編著に『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)がある。現在、ひとり出版社「合同会社駒井組」代表。

鈴木芳子
1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ文学者・翻訳家。『ベビュカン』にて独日翻訳賞マックス・ダウテンダイ・フェーダー・東京ドイツ文化センター賞受賞。訳書にショーペンハウアー『読書について』『幸福について』、フォイヒトヴァンガー『宮廷画家ゴヤ』、ヒュルゼンベック編著『ダダ大全』、ローゼンクランツ『醜の美学』ほか多数。

貝澤哉
1963 年東京生まれ。早稲田大学大学院ロシア文学専攻博士課程単位取得退学。早稲田大学文学学術院教授。著書に『引き裂かれた祝祭 バフチン・ナボコフ・ロシア文化』(論創社、2008 年)、共編著『再考ロシア・フォルマリズム 言語・メディア・知覚』(せりか書房、2012年)。翻訳に、ゴロムシトク『全体主義芸術』(水声社、2007 年)、ナボコフ『カメラ・オブスクーラ』『絶望』『偉業』(光文社古典新訳文庫、2011、2013、2016 年)など。

永田千奈
1967 年東京生まれ。フランス語翻訳者。訳書にシュペルヴィエル『海に住む少女』、ラファイエット夫人『クレーヴの奥方』(光文社古典新訳文庫)、ロマン・ガリ『凧』(共和国)など。

木村政則
英米文学翻訳家。著書に『20 世紀末イギリス小説──アポカリプスに向かって』(彩流社)。訳書にミュリエル・スパーク『バン、バン! はい死んだ』『ブロディ先生の青春』『あなたの自伝、お書きします』(河出書房新社)、サマセット・モーム『マウントドレイゴ卿/パーティの前に』、D・H・ロレンス『チャタレー夫人の恋人』、ラドヤード・キプリング『キム』(光文社古典新訳文庫)、クリストファー・イシャウッド『いかさま師ノリス』(白水社)など。

土屋京子
翻訳家。1956年生まれ。東京大学教養学部卒。訳書に『ワイルド・スワン』(ユン・チアン)、『EQ~こころの知能指数』(ゴールマン)、『トム・ソーヤーの冒険』『ハックルベリー・フィンの冒険』(トウェイン)、『ナルニア国物語』全7巻(C・S・ルイス)、『仔鹿物語』(ローリングズ)、『秘密の花園』『小公子』『小公女』(バーネット)、『あしながおじさん』(ウェブスター)、『部屋』(ドナヒュー)ほか多数。

高遠弘美
1952年3月、長野県生まれ。現在明治大学商学部・大学院教養デザイン研究科教授。著書に『物語 パリの歴史』(講談社新書)『七世竹本住大夫』(講談社)『乳いろの花の庭から』(ふらんす堂)他、翻訳に『珍説愚説辞典』(国書刊行会)ロミ『完全版 突飛なるものの歴史』(平凡社)レアージュ『完訳 Oの物語』(学習研究社)プルースト『失われた時を求めて』(光文社古典新訳文庫、全14巻予定。個人全訳中)、最新刊にF・ピション『プルーストへの扉』(白水社)があるほか著作多数を数える。

酒寄進一
1958 年生まれ。ドイツ文学翻訳家。和光大学教授。2021 年、コルドンの〈ベルリン〉3 部作で日本子どもの本研究会第5回作品賞特別賞受賞。主な訳書にヘッセ『デーミアン』、ヴェデキント『春のめざめ ―子どもたちの悲劇』、ブレヒト『アルトゥロ・ウイの興隆/コーカサスの白墨の輪』、 シーラッハ『犯罪』『罪悪』『刑罰』『コリーニ事件』、ザルテン『バンビ 森に生きる』、フィツェック『乗客ナンバー23の消失』、ゼーターラー『キオスク』ほか多数。

蜂飼耳
1974 年神奈川県生まれ。詩人。立教大学文学部教授。詩集に『食うものは食われる夜』『顔をあらう水』『現代詩文庫 蜂飼耳詩集』など。文集に『孔雀の羽の目がみてる』『空を引き寄せる石』『秘密のおこない』『空席日誌』『おいしそうな草』など。書評集に『朝毎読』、絵本に『うきわねこ』(絵/牧野千穂)など、童話集に『のろのろひつじとせかせかひつじ』など。古典文学の現代語訳に『虫めづる姫君 堤中納言物語』『方丈記』がある。

目次

はじめに 駒井稔

第1夜 鈴木芳子(ドイツ文学)

第2夜 貝澤哉(ロシア文学)

第3夜 永田千奈(フランス文学)

第4夜 木村政則(英米文学)

第5夜 土屋京子(英米文学)

第6夜 高遠弘美(フランス文学)

第7夜 酒寄進一(ドイツ文学)

第8夜 蜂飼耳(日本文学)

あとがき 駒井稔

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

114
非常に面白い試みでした。光文社の古典新訳文庫の編集者の駒井さんが、そこで訳を行われている8人の文学者の方へインタビューを行ったものが収められています。主に海外文学がご専門の方が中心ですが、詩人の蜂飼耳さんもいらっしゃいます。ご自分の幼児からの読書体験が主に語られているのですが最近の業績にも触れられています。参考になりました。とくに酒寄進一さんはドイツ文学がご専門ですが、最近訳された岩波少年文庫の「ベルリン1919、1933、1945」のシリーズを読みたくなりました。2023/07/13

けんとまん1007

68
自分にとって読書・本を読むとはどういうことだろうと考えながら、ページをめくった。翻訳者という職業柄、本に接するのが必須の方々の読書論は、興味深いものがある。8人8様で、表現も面白いが、本を読むことへの思いが深いのが共通している。自分が本からもらったものは何だろう?自分は、本は五感で読むものだと思っている。内容だけでなく、装丁や手触り・質感もある。非日常の世界への糸口であること。知らないことへたどり着く、さらにその先への繰り返し。ふと立ち止まって、思いを巡らすこと。自分の時間を持つことが一番だと思う。2023/03/29

佐島楓

66
翻訳家の方々との対談集。語学の学習法ではなく、それまでの読書体験を中心にうかがうというシンプルな構成。ほとんどの方が幼児期から大量の本に触れ、日本の近代文学をお読みになっていた(特に漱石)ということをおっしゃっていて、きっちりとした日本語を読み続けることが翻訳の土壌となっているのだなと納得できた。わたしが本からもらったものは、人生そのもの。それは断言できるし、すごく幸せなことだ。2021/11/10

tamami

49
編集者である著者が聞き手になって、関わりのある8人の翻訳者に、子どもの頃からの本との馴れ初めや、翻訳を志した外国語への思い入れ、最近の読書体験の中から印象に残ったことなどをインタビューしたもの。いずれも負けず劣らずの読書人である方々の話はどれも面白い。一冊の本との出会いは、本当に様々なケースがあるものということを納得する。外国語との出会いも同様。こういう方々のお陰で世界中の小説や評論が読めるかと思うと感謝の念が湧いてくる。引っ越しで幼少期の思い出が詰まった荷物を全部亡くされた酒寄さんの話は身につまされる。2023/03/23

mayumi

24
「編集者の読書論」が面白かったのでこちらも。今作は様々な言語の翻訳者8人の読書にまつわるあれこれを対談形式でまとめたもの。8人のうち、知ってるのは酒寄さんだけでした。どの方も、さすがという読書量。中学生の頃にカントを読んだ人までいて驚き。特に高遠弘美さんの読書は凄いなあと感嘆した。フランス文学の人だけれど、日本文学にも造詣が深い。江戸時代の随筆まで読んでる。教養とはこういうものだと目を開かされる思いがした。そんな高遠さんが本からもらったものは?という問いに「生きる喜び」と答えているのも素晴らしい。2023/07/23

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