内容説明
成都(せいと)随一の高級旅館、張家楼(ちょうかろう)。
主人は成都屈指の豪商、張家の末息子・エン【※】圭(えんけい)である。
すこぶる病弱なエン圭は、23歳になる今まで幾度となく生死の境をさまよった。
風が吹いては寝込み、雨が降っては寝込む。とにかく体が弱いのである。
ある日、久しぶりに体調がよく市をそぞろ歩いていると、
売卜者(占い師)のような男から突然声をかけられる。
いわく、エン圭は幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せる体質で、そのために不調が出るのだと。
半信半疑のエン圭だが、彼にお祓いをしてもらうと、確かに調子がいい。
それを知ったエン圭の父親は、どういうわけか、売卜者の娘を嫁にもらえと言いだした!
戸惑うエン圭をよそに結婚話は進み、いよいよ娘はやってきた。
――そう、色とりどりに輝く雲に乗り、空の上から。
天女とみまがう美しい少女はエン圭に歩みよると、
「人間の花婿なんて今時、流行らないわ」と言い放つ。
どうやら彼女は「人」ではないらしい……。
果たしてこの夫婦、一体どうなる!?
【※王へんに宛】
目次
第一章 龍女の嫁入り
第二章 銀蘭金梅
第三章 くくり鬼
第四章 女神の宿
第五章 五月は悪い月
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
210
三省堂書店の売上ランキング上位だったので、読みました。 白川 紺子、初読です。本書は、チャイナ・ドラゴン・ファンタジーの良作でした。龍女 小寧が大変魅力的、『うる星やつら』のラムちゃんのような感じです。続編にも期待します。 https://orangebunko.shueisha.co.jp/feature/ryujyo2025/02/04
ひさか
73
2024年11月集英社刊。書き下ろし。龍女の嫁入り、銀蘭金梅、くくり鬼、女神の宿、五月は悪い月、の5つの章で構成。白川さん初単行本だそうで、そういえば、文庫本ばかりだったなぁと気づきました。龍と人の間に生まれた妻の小寧と夫の琬圭の怪異譚ということで、小寧と琬圭の関係、怪異が語られます。二人の仲と能力の進展がストレートに書かれていて、楽しく、面白い。ラストで明らかになる夫の出自に驚き。出来過ぎ感もありますが、話に勢いがあって良いです。2025/01/15
はなりん
64
好きな作家さんの新たなお話。豪商の子息で後宮旅館の主人琬圭。街の路地で不思議な道士に病弱なのは幽鬼に取り憑かれているからと言われ、道士に助けられ、なぜか道士の娘と結婚する事に。更に、突然嫁いできた娘は龍神と人の子で。次々起こる突拍子もないことに、鷹揚にのほほんと対処する琬圭は大物…って思っていたら、本当に大物だった。呑気に幽鬼を拾ってきて、幽鬼も見捨てず対応する琬圭と、なんだかんだで心配して助ける龍女の小寧。半神同士で似た境遇。いい夫婦になりそう。シリーズ化して欲しい。2025/02/08
pohcho
64
成都随一の高級旅館・張家楼の主人・琬圭。張家の末息子である彼はとにかく体が弱い。ある日、市で出会った道士に助けてもらった琬圭は道士の娘と結婚する。幽鬼にとりつかれやすい青年と龍王の孫娘の風変わりな結婚生活を描いた中華ファンタジー。連作短編で、毎回琬圭が幽鬼を拾ってきて小寧がプリプリしながらも彼を助けるパターンなのだが、不思議でせつなく、どこかほのぼのとした世界観がたまらなくよかった。二人が少しずつ心を通わせていくところも好き。いつまでもこの世界にひたっていたい、そんな作品だった。是非シリーズ化してほしい。2025/01/27
あっか
56
新刊。白川紺子さんにしては珍しい単行本で新鮮。文章の雰囲気もいつもよりちょっとお堅めに感じた。でもあっという間に読み切ってしまうくらい面白かったー。妖を引き寄せる特異体質の琬圭と、龍のクォーター(?)小寧夫婦が、ドタバタしながら怪異を解決してゆく。2人も何となくズレながらも笑、お互い想い合い絆が紡がれてゆく様子が良い。たくさんのシリーズが同時並行されていて大変かもしれないけれど、こちらも続編に期待!色々なタイプの男女カップルを拝見できてとても楽しい♡2025/02/15




