内容説明
今しもうららかな一日が明けようとする朝,ナイル河口の丘の上から盗賊一味が見たものは,財物満載の無人の船,生々しい死体の山,そして手負いの凜々しい若者と,そばに寄り添う女神の如き美貌の娘であった――.古代ギリシア小説の最高峰,映画さながらの波瀾万丈のストーリーが展開する恋愛冒険小説巨編.(全2冊)
目次
凡例
主な登場人物紹介
関連地図──『エティオピア物語』の世界
巻 一
巻 二
巻 三
巻 四
巻 五
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
58
3世紀にギリシャの歴史家、ヘロトドスが描いた青春小説は現代にも通じるリーダビリティと面白さ!まず、登場人物たちの来歴が濃い。ヒロインは実は高貴な生まれという事が明らかになるし、脇役である筈のクネモンの経緯も神話での「継母による誘惑を退けた事によって奸計に嵌められ、追放」パターンを踏襲しているのに面白い。嫉妬した弟に神職を追われて盗賊になったテュミアスも掘り下げれば、絶対、面白いに違いないと期待が高まります。それにしても抜かりなく神に誓うもイチャついても精々、接吻するだけで貞節を守る若き二人の初々しさよ。2025/02/11
kibita
14
もう、本当にこの人達は…。3世紀のギリシア・ハーレクイン冒険小説。ハイティーン絶世の美男美女が災難に遭いまくる。それぞれの語りが長くて熱い。舞台もしくはハリウッド映画を観ているよう。ヒロインは高貴な生まれだが棄子された。その理由が…おお、王妃よ!神々よ!そりゃないよ…てこちらも思わず叫んでしまう。ヒロインのイメージを求めてエチオピアの人種や歴史を深掘りしてしまったが、途中で白い肌と金髪だと分かった。愛しい相手でも、所詮男だからと純潔を守る為に神に誓わせるあたり、ヒロインはしっかり者。下巻楽しみ。2024/12/03
ゆう
12
「太陽がめぐってくると、雄鶏はその本能的な知覚に動かされて太陽神に挨拶しようとするのだともいい(略)」(53〜54頁)ギリシャ神話の神々、精霊が生活に密着していて読む手が止まらない。ときめく。「処女性とは無垢で純粋で穢れのないものだと申しましてね。また一方では、エロスやアプロディテなど結婚に関わる連中はみな烏のところへ失せろと罵っているのです。」(141頁)この主人公カリクレイアがテアゲネスに一目惚れするんだから面白い。しかし父が娘の結婚に決定権を持つところや人があっという間に捕虜・奴隷になる世界は怖い。2025/03/05
春ドーナツ
11
毎月、岩波書店のホームページを開いて、来月刊行の文庫本を見物する。本書の書影とかんたんなあらすじに目を通したとき、まあ、スルーしようかなと思った。古代の小説なら「黄金の驢馬」を読んだことがあるし、とくに食指が動かない。けれど後ろ髪を引かれる。もう少し調べてみると、現代の作家が書いた時代小説のように文章が経年劣化することなく瑞々しいらしい。原文は読めないけれど、翻訳にもある程度は反映されているだろう。近所の配送専門になった村上書店にお願いした。ただ初心のスルー感が抜けた訳ではなく、積読の常連とあいなる。だが2025/03/13
まどの一哉
3
誰もが目を見張る絶世の美女カリクレイア。勇猛果敢な美男の青年テアゲネス。ひと目見た時から愛し合うこの二人を主人公に、舞台はギリシャからエジプトまで。地中海を移動し、折り重なるように現れる盗賊・海賊の類。まさに波瀾万丈以外のなにものでもない。2025/02/17
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