内容説明
伝説の音楽グループ,フォーク・クルセダーズで活躍し,また作詞家として数々のヒット曲を手がけながらも,その後,精神科医となった著者の自伝.父親との葛藤,マスコミ体験の苦悩,親友との別れ…….波乱に満ちた人生と「心」の軌跡を振り返りながら,しぶとく生き続けるヒントを説く.鴻上尚史氏との対談を新たに収録.
目次
はじめに――北山修による,きたやまおさむの「心」の分析
第1章 戦争が終わって,僕らが生まれた
一九四六年に生まれて/重苦しく暗い空間の中で/生き残りの罪悪感とともに生きていた父/遠くを見ている母/ここではない,どこかへ――駅と私/落ち着かない環境の中で/さみしさと怒りから救ってくれた音楽/本当にほしかったものは
第2章 「オラは死んじまっただ」の思春期
自分の中の二面性/「遊び」の重要性/救いだった伯母の存在/中学・高校にトップで入学したけれど/絶対者との出会いと二律背反/物忘れのひどい問題児/言い間違いと目の障害/意味から解放された世界へ/目をつむって聴こえてきた音楽/差別に対する違和感/暴力のコントロールと罪悪感/「自分を殺す」こととマゾヒズム傾向/ピエロとして生きる/級友の死に直面して
第3章 愛こそはすべてか?
「モラトリアム時代」の延長/「不確実性の時代」と価値観の揺らぎ/自覚的な「あれも,これも」の価値観/女性的であること/疾風怒濤の青年期/京都からの脱出に失敗し,京都の医科大学へ/東京から来たミュータント/「おまえも,おまえのやり方でやってみたらどうだ」/〈みんなの音楽〉の登場/フォーク・クルセダーズが目指した思想/「あいの子」の精神/遊びの精神で/自分たちのやり方で,自分たちの歌を/「帰って来たヨッパライ」の誕生/フォークルの魅力をつかみとってくれたディレクター/解散したのに,デビュー/熱狂を受け止めきれない自分
第4章 天国から追い出されて
楽しそうに見える,その裏側で/皆の知っている「私」は,私なのか/嫉妬とマネージャーの不在/「イムジン河」の挫折/少年Mの「イムジン河」/様々な思惑の犠牲に/私たちの周囲にある見えない「イムジン河」/大島 ,最大の駄作?/「戦争を知っている大人たち」と「戦争を知らない子供たち」の対決/ギャラも尽きて,天国から追放/解散してデビュー,そして再び解散/家に帰ろう
第5章 「私」とは誰なのか? ――精神分析学との出会い
複製が求められる時代の中で/解剖して,名前を付けるために/週に一度の芸能人/芸能活動からの全面撤退と二つの「乗っ取り事件」/〈みんなの音楽〉の終焉/失われたフォークソングの思想/命が失われてショーの幕が下りる――サーカスの歴史から学んだこと/空しさに付き合う/中央から離れて――札幌医科大学へ/精神医学という原点に立ち返るために――ロンドンへの留学/行動療法 vs.精神分析/精神分析の道へ/眼を開いて見えてきたもの/ウィニコットの思想との出会い――「あれと,これと」の肯定/「心の免震構造」の大切さ/精神分析を生きる/患者との出会い/私にとっての一番長い日/二年間の留学生活を終えて/不完全であることの自覚
第6章 「心」をみつめて――精神科医,研究者,そして時々音楽家
再度の眼の手術がもたらした気づき/二つの眼で見て,一つに統合しようとするが/秩序に収まらないものは嫌われる/私の視覚と私の心/葛藤を生きるのが人間/真面目だからこそ不真面目/自切俳人と遊び/ロッカーの中は空だった/とてつもない空しさ/空しさをかみしめながら/人も世界も多面的であり,一つではない/未熟な日本だからこそ/九州大学で教員に/浮世絵に描かれた母子が見つめるもの/「あの素晴しい愛をもう一度」と「共視」/加藤和彦との再会/「新結成」と一回限りのライブ
第7章 潔く去っていかない
突然の別れ/遺された写真/「楽屋」の喪失/全体は見にくい/「面白さ」が得られない/空虚と満足/いることの幸せ/「楽屋」での無意味な充実/居座る夕鶴/意味のないことにも意味がある/意味が空虚を味わいに変える
おわりに――コブのない駱駝のごとく
「風」とともに去ったはしだのりひこさんを悼む
対談 心にも楽屋を――潔く去っていかないために……………きたやまおさむ×鴻上尚史
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