岩波現代文庫<br> コブのない駱駝 - きたやまおさむ「心」の軌跡

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岩波現代文庫
コブのない駱駝 - きたやまおさむ「心」の軌跡

  • 著者名:きたやまおさむ【著】
  • 価格 ¥1,298(本体¥1,180)
  • 岩波書店(2024/11発売)
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  • ISBN:9784006023379

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内容説明

伝説の音楽グループ,フォーク・クルセダーズで活躍し,また作詞家として数々のヒット曲を手がけながらも,その後,精神科医となった著者の自伝.父親との葛藤,マスコミ体験の苦悩,親友との別れ…….波乱に満ちた人生と「心」の軌跡を振り返りながら,しぶとく生き続けるヒントを説く.鴻上尚史氏との対談を新たに収録.

目次

はじめに――北山修による,きたやまおさむの「心」の分析
第1章 戦争が終わって,僕らが生まれた
一九四六年に生まれて/重苦しく暗い空間の中で/生き残りの罪悪感とともに生きていた父/遠くを見ている母/ここではない,どこかへ――駅と私/落ち着かない環境の中で/さみしさと怒りから救ってくれた音楽/本当にほしかったものは
第2章 「オラは死んじまっただ」の思春期
自分の中の二面性/「遊び」の重要性/救いだった伯母の存在/中学・高校にトップで入学したけれど/絶対者との出会いと二律背反/物忘れのひどい問題児/言い間違いと目の障害/意味から解放された世界へ/目をつむって聴こえてきた音楽/差別に対する違和感/暴力のコントロールと罪悪感/「自分を殺す」こととマゾヒズム傾向/ピエロとして生きる/級友の死に直面して
第3章 愛こそはすべてか?
「モラトリアム時代」の延長/「不確実性の時代」と価値観の揺らぎ/自覚的な「あれも,これも」の価値観/女性的であること/疾風怒濤の青年期/京都からの脱出に失敗し,京都の医科大学へ/東京から来たミュータント/「おまえも,おまえのやり方でやってみたらどうだ」/〈みんなの音楽〉の登場/フォーク・クルセダーズが目指した思想/「あいの子」の精神/遊びの精神で/自分たちのやり方で,自分たちの歌を/「帰って来たヨッパライ」の誕生/フォークルの魅力をつかみとってくれたディレクター/解散したのに,デビュー/熱狂を受け止めきれない自分
第4章 天国から追い出されて
楽しそうに見える,その裏側で/皆の知っている「私」は,私なのか/嫉妬とマネージャーの不在/「イムジン河」の挫折/少年Mの「イムジン河」/様々な思惑の犠牲に/私たちの周囲にある見えない「イムジン河」/大島 ,最大の駄作?/「戦争を知っている大人たち」と「戦争を知らない子供たち」の対決/ギャラも尽きて,天国から追放/解散してデビュー,そして再び解散/家に帰ろう
第5章 「私」とは誰なのか? ――精神分析学との出会い
複製が求められる時代の中で/解剖して,名前を付けるために/週に一度の芸能人/芸能活動からの全面撤退と二つの「乗っ取り事件」/〈みんなの音楽〉の終焉/失われたフォークソングの思想/命が失われてショーの幕が下りる――サーカスの歴史から学んだこと/空しさに付き合う/中央から離れて――札幌医科大学へ/精神医学という原点に立ち返るために――ロンドンへの留学/行動療法 vs.精神分析/精神分析の道へ/眼を開いて見えてきたもの/ウィニコットの思想との出会い――「あれと,これと」の肯定/「心の免震構造」の大切さ/精神分析を生きる/患者との出会い/私にとっての一番長い日/二年間の留学生活を終えて/不完全であることの自覚
第6章 「心」をみつめて――精神科医,研究者,そして時々音楽家
再度の眼の手術がもたらした気づき/二つの眼で見て,一つに統合しようとするが/秩序に収まらないものは嫌われる/私の視覚と私の心/葛藤を生きるのが人間/真面目だからこそ不真面目/自切俳人と遊び/ロッカーの中は空だった/とてつもない空しさ/空しさをかみしめながら/人も世界も多面的であり,一つではない/未熟な日本だからこそ/九州大学で教員に/浮世絵に描かれた母子が見つめるもの/「あの素晴しい愛をもう一度」と「共視」/加藤和彦との再会/「新結成」と一回限りのライブ
第7章 潔く去っていかない
突然の別れ/遺された写真/「楽屋」の喪失/全体は見にくい/「面白さ」が得られない/空虚と満足/いることの幸せ/「楽屋」での無意味な充実/居座る夕鶴/意味のないことにも意味がある/意味が空虚を味わいに変える
おわりに――コブのない駱駝のごとく
「風」とともに去ったはしだのりひこさんを悼む
対談 心にも楽屋を――潔く去っていかないために……………きたやまおさむ×鴻上尚史

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

FOTD

20
北山修氏の精神分析的な自伝という感じだった。自分の中の二面性についての記述は大変納得できた。私も母をそのことでいつも心配させていたので。「あれか、これか」で切り捨てず「あれとか、これとか」で良い。そう考えるとずっと生きやすくなる。 初めて北山修氏を聴いたのはラジオの深夜放送だったと思う。当時、自切俳人と名乗っていたのは、そういうわけだったのか!2022/12/04

ないとう

6
いわゆる自伝でどの部分も面白いのだけどやはりハイライトは加藤和彦さんとの別れの部分かなぁ。 あの時同じ花を見て美しいと言った2人の心と心が今はもう通わない。結局それが私と加藤和彦の物語だったのでしょう。の一節はとても物悲しい。 楽屋の喪失という項目で、現代人は職場でも家庭でも常に何かの役割を演じなければならず、心がほっとして安心できるような「楽屋」がなくなりつつある、、。というようなことが書いてある部分がある。 自分にとっては朝ランなどは1人であることが多いし、楽屋の役割を果たしているのかもなぁ。2022/10/22

ソープ

5
ちょっと難しい・・かな〜?。前半は自分にとって少し知識があったことが記載されていました。 中盤から加藤和彦さんに至るまではわからないことも多く。加えて専門知識が私にないため、ちょっと流して読んだ感、もあります。 それでも、おさむさん、元気で健在なことを2025年3月30日に確認できたので本のことも含めとても嬉しい限りです。2025/04/05

いのふみ

3
きたやまさんの語りは、優しいが、勁やかで、つよい。「あれか、これか」という二者択一思考ではなく、「あれとか、これとか」という複数思考、ある種のあいまいさを生きる。また、仕事などのオモテだけを実人生化するのではなく、泣き叫んだり、避難できる「楽屋」を持つという秘訣はこれからのSNS社会についても有益だろう。2023/09/16

行き当たりバッチシ!

2
北山さんの本はムツカシー過ぎて大変です。今回は少し理解できましたが・・・・。中学生のころから 追いかけをやってますが 距離は開くばかり・・・・・。 2024/09/24

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