ホーム社<br> 子どもを森へ帰せ 「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

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子どもを森へ帰せ 「森のようちえん」だけが、AIに置き換えられない人間を育てる

  • ISBN:9784834253917

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内容説明

いま「森のようちえん」という幼児教育のスタイルが、世界的に注目されています。いわゆる野外保育であり、子どもたちは大人の指示にただ従うのではなく、自然環境に誘われるままに自由に動き回ります。それには日本の里山の環境も、じつにフィットするのです。本書は、社会学者の宮台真司さんと、教育ジャーナリストのおおたとしまささんによる師弟対談をもとに、葭田昭子氏、坂田昌子氏、関山隆一氏らユニークな実践者も参加しながら、「森のようちえん」の可能性を追究していきます。

目次

はじめに
第1章 なぜいま「森のようちえん」なのか? 宮台真司×おおたとしまさ
「森のようちえん」とは何か
ピュシスとロゴス
センス・オブ・ワンダー
宮台真司が推す理由
失われた身体性・感受性を取り戻す
子どもを言葉と法と損得計算に閉じ込めるな
日本に「世間」があった頃
「同じ世界」に入るということ
クソ社会の洗脳から子どもを奪還する
コントロールではなくフュージョン
目をじっと見るだけで「言外」が露出する
テクノロジーと新しい権威主義
「社会の外」に出られる者は誰か
社会の逆戻りは可能か
言葉の外でつながる営みを
文明化と高文化化がうみだしたもの
処方箋としてのアニミズム
僕らの劣化は「森のようちえん」で回復する
人が力を失うとき、力を与えられる人になれ
第2章 「森のようちえん」実践者との対話 宮台真司×おおたとしまさ×葭田昭子×坂田昌子
4人の関係性
ECHICAをなぜつくったか
ただのノスタルジーではない
キーワードは「共同身体性」
性愛から退却する学生たち
それはよい「社会化」か?
言葉よりも共同身体性を
祝祭と性愛の意味
子どもが見せたいもの、見せてはいけないもの
本物の祝祭と恋愛は「社会の外」だから命がけ
信じて待つ保育、並んで待つ保育
鬼は外から来るのではなく、わたしたちの中にいる
恐怖と向き合うこと
ソレか、汝か?
子どもを親から奪還せよ
汎システム化する社会の中で
日本における「空気の支配」
なぜ恋愛・性愛がつまらなく感じるのか
お金で買われる「体験」
「弱者は法より掟」の崩壊
『かえるくん、東京を救う』と『すずめの戸締まり』
「保守」とは何か
秩父から考える
共同体の基本は有機的連帯
「森のようちえん」卒園後の子どもはどうなる?
お母さんも変わるチャンスがある
「森のようちえん」は都会でも可能か?
「昭和」をどう捉えるべきか?
ドイツと日本を比較する
劣化する大人たちに言葉は響くか?
第3章 「森のようちえん」実践者との対話 宮台真司×おおたとしまさ×関山隆一
世界はそもそも出鱈目である
社会課題への打ち手としての「森のようちえん」
「力」とは何か
「社会という荒野を仲間と生きる」戦略
なぜ横浜を活動場所に選んだのか
危険回避ゆえに訪れる危険
日本で「森のようちえん」を実践するアドバンテージ
ピュシスの歌を聴く力
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

りょうみや

22
宮台社会学が9割で森のようちえんが1割の読了感。これまで宮台氏の本は何冊か読んでどれも難解で本書もそうなのだが、おおた氏が適宜助けてくれるのでなんとか付いていける。宮台社会学のエッセンスも味わえる一冊と紹介にあるけどまさにその通り。今の日本に足りないのは「言語外、法外、損得外」の感情や人間関係。親友や恋人と本当に心が一体化できる能力。そのための方策の一つが森のようちえんでの原体験。読んでいて何度も心に刻まれる。2024/12/28

酩酊石打刑

8
襲撃事件、その後の大学失職後の宮台の立ち居振る舞いに、どこかカルトっぽい匂いを感じ取っていた。本書において「宣教するつもりはない」として、イエスがガリラヤ湖畔を語り歩いたことへの言及がある。このくだりを読んだ時に彼はイエスになりたいのではとの思いがよぎった。第2章の結びでは彼の現在を「種まき爺さん」の旅芸人と自己規定している。これはまさにイエスの行っていたことと同じなのではと。宮台の口汚いののしりも、パリサイ人への歯に衣着せぬイエスのことを思えば納得がいきそうだ。カルトとは程遠い姿勢だと反省した。 2024/12/11

Go Extreme

3
ピュシス 万物 人間知を超えた出鱈目 自然の摂理 ロゴス 法 システム 社会化 一条件プログラムへの閉鎖 身体性 感情の劣化 コール&レスポンス能力の衰え 言葉の自動機械 法の奴隷 損得マシン クズ 空気の支配 ヒラメ的過敏化 ロゴスからの解放 ピュシスとの繋がり 身体の肌感覚 ピュシスの歌を聴く力 非認知能力 臨界期 能力習得の締め切り メタバース ロゴスの中のユニバース 新たな権威主義 真の権威 ピュシスへの感受性を伴う語り クソ化 ロゴスに閉ざされた社会 多重帰属 全体主義 同調圧力への抵抗2025/05/19

ユウ

2
この書物は、教育論の貌をしてはいるが、実のところ、制度への応答ではなく、制度の不在そのものを称揚する挙措に終始している。森、という語が喚起する自然の幻想は、しかしながら一切の社会的規範を無効化する免罪符たり得るのか。AIに置き換えられない人間、なる言葉の背後には、置き換えられ得る人間という二重の他者が厳然と存在している。子どもを「森へ帰せ」とは、果たして誰の語法か。教育とは何か、を問うのではなく、教育が可能であるという信仰をそっと解体する、その静かな企てに、本書の最も饒舌な沈黙が潜んでいる。2025/03/30

concreteseijin

1
森の賢者🦍⚡️ドラージャン🌳 キョダイマックスゴリランダー🪘 2025/07/20

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