〈つながり〉のリベラリズム - 規範的関係の理論

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〈つながり〉のリベラリズム - 規範的関係の理論

  • 著者名:野崎亜紀子
  • 価格 ¥5,500(本体¥5,000)
  • 勁草書房(2024/12発売)
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  • ISBN:9784326103430

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内容説明

他者に依存するニーズを必ず持つ個人をリベラリズムは捉えられるのか? ケア論を中心に批判が高まっている。本書は、言語化されないままに近代法体系に組み込まれてきた〈向き合ってしまった者〉との関係と、そのなかにある個人を、法の周縁から救い出す。個人を尊重する「自由な社会」の可能性を考える、旧くて新しい構想。

目次

はしがき

序 章 関係性の権利を考えるために――「関係性」と「権利」の関係
 一 関係性という言葉
 二 「関係性の権利」分析
 三 関係性のなかの権利――片務的権利義務関係
 四 批判と応答
 五 規範的関係論を構想するにあたって――本書の構成

第一章 〈個人の尊重〉と〈他者の承認〉――出生前検査から考える
 一 生のはじまりを基点とする
 二 非侵襲型遺伝学的出生前検査の導入
 三 法の主体
 四 〈個人の尊重〉の意義
 五 NIPTによって問われる問い――他者の承認
 六 生のはじまりと法

第二章 ケアの倫理と関係性――ケア関係を構築するもの
 一 ケアの倫理に対峙する
 二 〈依存〉をめぐる問題領域
 三 ケアの倫理と正義の倫理の関係
 四 ケア関係の意味するところ
 五 ケア関係のものさし
 六 ケア関係と個人――他の何者でもない私

第三章 法的主体と関係性――ケアの倫理とリベラリズムの論理
 一 リベラリズムにおける主体
 二 主体の位置づけ
 三 〈個人の尊重〉の理由と意味
 四 〈関係性〉の観念
 五 主体と関係性

第四章 関係性の権利――〈差異〉を/から考える
 一 差異・平等・関係性
 二 「差異のジレンマ」と「暗黙の五つの想定」
 三 関係性のアプローチ

第五章 特別な関係下における責任――片務的負担という特性
 一 積極的責任(affirmative obligation)の議論
 二 リベラルな伝統と積極義務(positive duty)
 三 リベラリズムが抱える四つの課題
 四 一般的積極義務と特別積極義務
 五 協同的個人主義とメンバーシップ

終 章 〈つながり〉のなかで――規範的関係の理論構想
 一 社会の自由を考える
 二 方法論的個人主義・批判
 三 自由意思に還元されない関係性のなかにいる個人
 四 規範的関係論――向き合ってしまった者との関係
 五 むすびにかえて――自由な社会を構想する規範的関係論

補 論 ケアの倫理とリベラリズム――リプロダクション(生殖)をめぐる視角から
 一 問題の所在――個人の尊重と〈わたしの問題〉〈わたしたちの問題〉
 二 人口をめぐる状況
 三 生殖をめぐる今
 四 人口論という観点
 五 生殖補助技術の進展と公的助成制度
 六 リベラリズムと生殖政策
 七 リベラリズム・再考――承継(entailment)の観念
 八 個を尊重するということ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とよぽん

39
タイトルは抽象的な感じだが、社会における人間関係の自由が担保されることを目指した論考と解釈した。特に、人の存在が出生前から認められること、家族を含めた様々な関係性の中で生き、影響を与えたり受けたりしながら・・・。終盤の少子化に関するところが特に示唆的だった。こんな切り口があったのかと思った。私的なことと社会的なことのせめぎ合い?2025/02/08

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