内容説明
痛がる脳の最新科学を知り、生物・心理・社会モデルによる新しい疼痛観を学ぶ。痛みとの関係が根本から変わる、目から鱗の科学読本。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
97
イスラム教の教えに「アッラーが誰かに良きことを望まれると、その者に苦痛を与えて試されます」がある。アメリカでは2015年から2018年まで過去100年で平均寿命が連続で短くなった。死因の多くはオピオイドの過量摂取である。世界中のおよそ5人に1人が長期的な痛みを抱えて生活している。「痛みとは傷害に対する単純な反射反応というより、むしろ生体の健康状態に関するひとつの見解である」神経学者ラマチャンドランの言うように「痛みは安全装置である」。治療は認知行動療法が有効となる。痛みに対しての見方が180度変わる一冊。2025/02/14
harumi
19
「痛み」は自分の体を守るための装置であり、損傷した箇所から脳に送られる信号ではない。私にとっては驚きの事実だった。だから怪我が治っていても脳が危険だと判断すれば痛みを感じさせる。ときにそれは過保護と言えるほど働き、それが「慢性痛」となりいくら検査をしてもとこにも異常がなく、患者は絶望しQOLも下がり続け人生そのものが破壊されてしまう。慢性痛に悩まされる人は世界中で増える一方だが、この本にはそれを和らげるのに効果的な方法がいくつも書かれていて痛みに悩む人にぜひ読んでほしいと思う。知識があるだけでも全然違う。2025/04/14
ざっく
9
トレーニングを数年やっていると、何も痛みがない状態ということがほとんどなくなってくるが、本書を読んで自身の体感とも一致しているように感じた。慢性痛は突然無くなることは少ないが、突然悪くなることも少ない。逆に今まで痛くなった箇所が急に痛み出した場合は危険信号。病院に行くと痛かった箇所が痛くなくなるのも、脳の影響なんだろうな。痛みは障害に対するサインではなく、安全装置ということを理解した上でのアプローチを考えていこうと思った。2025/05/04
つっきーよ
5
急性の痛みと違い慢性痛は痛みの原因が取り除かれても痛みが持続する。痛みとは感覚から一直線に送られる信号ではなく、情動や認知、社会的な関係性など様々な要素から作られる総合的な現象である。慢性痛は痛みが一度作られると脳の痛みの回路が固定し原因が取り除かれているにもかかわらず痛みが持続する。脳の過保護な対応とも言える。急性の痛みと違い鎮痛剤が逆効果にもなりえる。慢性痛を抑えるには瞑想や軽い運動、適切な食事や睡眠が必要になる。また、痛みに対して観念を変える、科学的に正しい知識を身につけることも重要。2025/05/24
Sosseki
5
疼痛(慢性痛)の原因は、脳の過剰反応で、脳の再配線をすることで改善されるらしい。気持ちや感情、睡眠、社会や周りからの支援、視覚に訴える治療、催眠等あるらしい。年のせいとか、気のせいとか、異常はないから治療方法はないとか言われて哀しい思いや、痛みの辛さに耐えている多くの人たちが試してみれば良いと思う。2025/04/03
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