内容説明
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
102
短い話ながら、やはりハーディングは良い。 ファンタジー2025/05/23
☆よいこ
87
児童書。YA。フランシス・ハーディングの良質ファンタジー。横書き、一部ふりがなあり▽マイロの父は「渡し守」で、死んだ人の靴を海の向こうにある島に送り届ける。死者の魂は島の古い灯台から天に昇っていくが、決して死者の顔を覗き込んではいけない。ある時、14歳の少女が亡くなり母親が靴を持ってきた。しかし父親の領主は二人の魔術師に、娘を生き返らせようと靴を取り戻しに来た。抵抗した渡し守の父が殺され兄は連れ去られる。隠してあった靴を、島に届けるためにマイロは船出した▽生と死をめぐる冒険譚。挿絵多い。2024.12刊2025/03/14
キムチ
77
筆者は英国幻想文学の第一人者。奇観は全て読んできた、大ファン。デヴューから次々と賞をものにした実力派。当作、敢えてYAのカテに入れたい。筆者が伝えたい生と死のメッセージ。生は白い道、市は灰色の道・・挿絵で一目瞭然の情景が語るのは生も死も併行して続く道ながら一線で区切ら出ているだけ・・執着する生/悲嘆の死の違いは個々人の受け止め方と言わんばかり。首なし鳥、骨片で出来た青白いアーチ、半ばから宙に浮かぶ螺旋の壊れた塔と島。英国有数の画家と思える挿絵の素晴らしさはハーディングの秀作を更に内容的な高みへと押し上げた2025/04/16
藤月はな(灯れ松明の火)
53
死者を島へ送り出す渡し守の息子、マイロは渡し守として向いていないと言われていた。しかし、ある事がきっかけで渡し守だった父とその後継者と目されていた兄を失った事でマイロは父が任された仕事を引き継ぎ、死者を送り出そうとする。突如として途切れた、自分の生に戸惑うガブリエルの姿に不慮の事で亡くなった人々が重なり、辛くなる。一方でガブリエルの死を受け入られないが、同時に彼女自身も見ていなかった領主にも愛があったのは確かなのだ。そしてマイロが認められなかった理由は「優しすぎるから」。この世で生きるのは容易くはない。2024/12/31
帽子を編みます
50
ステキ、ステキ、ステキ!死者の魂を送る儀式を描いた話です。薄い霧のせいで魂が旅立つのに手助けが必要だなんて、確かに霧は何かを留めておくような気がします。14歳のマイロは予期せぬ出来事に壊れた塔の島へと航海することになります。この話、挿絵が雰囲気を盛り上げます、白い蛾に覆われるところ、実際には経験がないのに「あぁ、この景色を知っている」と思うのはなぜなのでしょう。死は誰にも訪れます、正しく送って、残された者は亡き者の善き思い出を大切にしていかなくては。マイロは本物の渡し守として死者を送ることでしょう。2025/11/05




