内容説明
67人の書物隨想録。
目次
ないたあかおに(小松和彦)
匂いのない「電子の本」(坂村健)
宜しかったら豪華本に(小野健一)
私と本(杉浦日向子)
ワールブルク研究所のことフランセス・イエイツのこと(佐々木力)
「木」を削る者にとっての「本」(稲本正)
本になりすました標本箱(海野和男)
闇に咲く本(田中優子)
本の代謝(芹沢高志)
本の風合い(奥村靫正)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
90
工作舎50周年記念。新刊案内「土星紀」に1986~2000年まで連載したエッセイ「標本箱」をまとめたもの。本にまつわる短い文章を綴ったものだが、味のある文章ばかり。養老孟司、池澤夏樹など67名の著者のうち、杉浦日向子ら17人がすでに逝去されている。そのうち多田智満子氏のエッセイで、キューバを訪れた際見たカストロのことば「最後に残るのは本だ。」からタイトルが付けられている。工作舎のロゴを作った祖父江慎と米澤敬の対談で、祖父江氏に社名が似てるから「社名変えたらどう」と言い「そっちの方こそ」で終えるのが笑える。2021/08/09
きゅー
8
工作舎の新刊案内『土星紀』に掲載されていた連載エッセイを集めたもの。かつて自分も「プラネタリークラシクス」シリーズをコツコツと買い集めていたとき、挟み込んである『土星紀』を開いて、まだ見ぬ本の世界にワクワクしたものだ。エッセイの内容は各人が好きなことを書いており、多種多様。コンピュータを使った「電子の本」であったり、積読であったり、語源から、はたまた最近の出来事までいろいろ。風間賢二の、読書における出会いについてのエッセイは今でも覚えており、懐かしかった。たぶん自宅のどこかにあるはずだ。2021/12/21
とも
7
図書館本 知らない人ばかりだった。知ってる人だけ読んで返却日到来。2021/09/24
Yuri
6
京都に旅行に行った時にタイトルに惹かれて購入した一冊。時代や立場は違えども、本に対する思いは共通する部分がある。「読者・評者・著者」「海外旅行には、いかような本がよいのか?」「本の所番地」が興味深かった。「この冬、この本」の最後だとかも印象的。思わず紙面を撫でてしまった。2024/09/24
つまみ食い
5
めちゃくちゃ豪華な書痴達による本を巡る愛憎と悲喜こもごもの一冊。元は工作舎の新刊案内の書き物ということもあり、一つ一つは二、三ページでバラバラに読める2024/08/18