内容説明
社会をひとつの視角ではなく、多様な視角からとらえる。
神戸学院大学現代社会学部における研究並びに教育実践についてのさまざまな論考を編纂。
学際的な研究者構成のもと、学際的な教育カリキュラムを編成し、
兵庫・神戸の自治体、企業、住民とのそれぞれの現場とのつながりを大切にしながら、
設置以来、10年間研究および教育実践に携わってきた現代社会学部の研究の軌跡。
第1部 人間と社会の基本的把握のために
第2部 現代社会とメディアの理解のために
第3部 地域社会と暮らしの問題のために
第4部 地域と大学を繋ぐために、
第5部 よりよい社会調査のために、の5部構成。
人間社会と社会学、社会調査等の論考に加え、
現代社会とメディアや、阪神・淡路大震災、東日本大震災と地域の暮らしについて、
地域と大学のプロジェクト等、地域と密接にかかわる論考も多く掲載。
学際性を追求し発展しつづける神戸学院大学現代社会学部の
現代の様々な社会課題の解決の手がかりが詰まった1冊。
【執筆者】
*山本 努、*岡崎宏樹、中村 恵、梅川由紀、鈴木洋仁、金子 勇、清原桂子、伊藤亜都子、舩木伸江、
菊川裕幸、日髙謙一、松川尚子(*は編集責任者)
目次
第1部 人間と社会の基本的把握のために
第1章 分人主義から社会学へ
―平野啓一郎『空白を満たしなさい』について (岡崎宏樹)
1.はじめに
2.分人主義とは何か
3.『空白を満たしなさい』
4.分人主義から社会学的自己論へ
5.おわりに:文学からの社会学
第2章 準社会は不完全な社会なのか
―売買行為を事例として,富永,高田,鈴木,ウェーバーの学説の評価 (山本 努)
1.はじめに
2.社会の基本範疇,本章で具体的に取り扱う問題
3.富永と高田の現時点での位置
4.富永と高田の社会
5.富永の売買の取り扱い,高田,鈴木,ウェーバーとの対比で
6.鈴木,高田の売買の取り扱いと,富永との違い
7.高田の微分的社会(または,集団外社会/社会関係)
8.高田の繊維社会と機能聯関
9.富永,ウェーバー,高田の社会関係の理解:?富永の社会関係の第1の特色(相互行為の累積)
10.富永,ウェーバー,高田の社会関係の理解:?富永の社会関係の第2の特色
(社会関係の持続性の認識)
11.社会関係はどう理解すべきか
12.社会(関係)の高田と富永の理解はどちらをとるべきか
13.むすび:?高田の微分的社会(集団外社会)からみえるもの(2つの事例に即して)
第2部 現代社会とメディアの理解のために
第3章 モノの近代化と不快なもの
―高度経済成長期の『主婦の友』からみる腐敗・悪臭・害虫・湿気(梅川 由紀)
1.暮らしの中の不快なもの
2.先行研究
3.調査方法
4.腐 敗
5.悪 臭
6.害虫と湿気
7.可能性としての不快なもの
第4章 皇室とメディア
―宮内庁のインターネットにおける発信の効果検証(鈴木 洋仁)
1.皇室とメディアをめぐる歴史
2.宮内庁によるインターネット発信
3.宮内庁のホームページでの報道への対応をめぐって
4.宮内庁による情報発信をめぐる3つの距離
5.メディアをめぐる理論社会学の議論を補助線に
6.これからの議論に向けて
第5章 「少子化対策の異次元」の論理と倫理(金子 勇)
1.人口変容社会の到来
2.少子化対策の「異次元」とは何か
第3部 地域社会と暮らしの問題のために
第6章 男女共同参画と防災・復興 (清原 桂子)
1.阪神・淡路大震災前の男女共同参画への取り組み
2.阪神・淡路大震災:?顕在化した男女共同参画の課題
3.東日本大震災:?繰り返された男女共同参画の課題
4.これからの男女共同参画と防災・復興
第7章 防災を軸とした地域と学校の共育 (伊藤 亜都子/舩木 伸江)
1.地域と学校
2.成徳小学校区(神戸市灘区)の概要
3.阪神・淡路大震災とその復興
4.震災後の新たな地域と小学校のコミュニティ活動
5.震災経験の伝承と防災教育
6.考 察
第8章 植物のもつ多面的効果-園芸療法と農福連携の事例から (菊川 裕幸)
1.人間の生活に植物は必要か
2.人間が自然や植物を好きになるのはなぜか
3.農業・園芸の可能性:?園芸療法によってもたらされる効果
4.農業・園芸の未来:?農福連携によってもたらされる効果
5.植物と人間の関係性についての展望
第9章 「生きがい」研究の土台を求めて
-過疎農山村における「生きがい」研究に関与しながら (山本 努)
1.はじめに
2.調査地域の概況
3.「生きがい」とは何か
4.「生きがい」の経験的把握
5.生きがい把握の3領域
6.限界集落論における高齢者像
7.生きがい調査の概要と基本的知見
8.むすびにかえて:?生きがいの地域比較
第4部 地域と大学を繋ぐために―地域連携型アクティブラーニングの実践
第10章 プロジェクト学習を構造化する
―動的アレンジメント,感性の共振,第3のネットワーク (岡崎 宏樹)
1.はじめに
2.地域と大学を繋ぐ8年間のプロジェクト
3.神河プロジェクト(2015年度~2017年度)
4.テーマ曲「たからもの」
5.やぶらぶプロジェクト(2018年度~2019年度)
6.たじま未来プロジェクト(2020年度~2022年度)
7.動画制作
8.アクティブラーニングの8つの特徴
9.ディープ・アクティブラーニング
10.動的アレンジメント,感性の共振,第3のネットワーク
11.おわりに
第11章 学生たちの学びの記録と分析(日髙 謙一)
1.科目の位置づけ
2.地域連携プロジェクトの記録:?神河町と養父市
3.《神河プロジェクト》における学生たちの学びの検証
4.コロナ禍での授業運営:?《たじま未来プロジェクト》の3年間(2020~2022)
第12章 地域と大学の協働による,政策提言の取り組み(清原 桂子)
1.地域づくりの動きと大学
2.地域連携プロジェクトにおける政策提言の取り組み
3.これからの地域と大学
第5部 よりよい社会調査のために
第13章 郵送調査における運用の工夫とその効果
―催促がもたらす回収率への影響 (松川 尚子)
1.本章の目的
2.回収率向上に効果はあったのか
3.回収標本の偏りに対する効果
4.回答の質に影響はなかったか
5.結 論
第14章 農村社会学の小集落モノグラフ調査の重要性
―限界集落の概念における量的規定と質的規定の齟齬に触れながら,
また,農林業センサスの統計分析に示唆されて(山本 努)
1.はじめに
2.限界集落論のいうような集落消滅の広がりの検証:?限界集落の概念とそれへの疑念
3.限界集落に関わる統計的把握とその疑問
4.限界集落の定義と統計の齟齬
5.限界集落に関わる農林業センサスによる統計的把握:?その意義と限界(その1)
6.限界集落に関わる農林業センサスによる統計的把握:?その意義と限界(その2)
7.存続危機集落の概念と農林業センサスによる統計的把握:?その意義と限界
8.むすび―集落機能不全極小集落の統計的把握:その意義と限界
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