内容説明
平和をもたらす共生についての共同研究。
古来日本人がもっていた生き方でもある「共生論」を、
理論化し科学的かつ意図的に行うためのメソッドとするため、
心の中の自他の関係性である「内属性共同性」をキーワードとし、論じていく。
異文化コミュニケーション、科学基礎論という文系と理系の相対する分野の研究者である著者たちが、
無理なく、自然で、柔軟でしたたかな平和をもたらす「共生論」を提案。
共生論に関心をもつ人はもちろん、現代社会の転換を願う方々へ。
人類の共生について考える1冊。
1・2章で、ウクライナ侵攻など、戦争から見えてくる意味を鍵語である「内属的共同性」として汲み取り、
V.E.フランクルのホロコースト体験と思想を導きとして内属的共同性を浮き彫りにし、
3章でアーレントやレヴィナスの思想から内属的共同性から広がる融合的認知と平和教育を示唆する。
4章で、人間とは何かについて、人間構造によって描像し、
5章で教養としての共生論について考察。
6章で実存から共生への道筋を示し、7章で共生から平和への道筋について異文化理解を通して示す。
8章で、〈わたし〉と人類の平和をつなぎ、個人と人類の幸せを同時に満たす平和への道しるべを提案する。
目次
第1章 内属的共同性:戦争からみえてくる意義
1.1. ロシア-ウクライナ
1.2. ルワンダの奇跡
1.2.1.ジェノサイド / 1.2.2.ガチャチャ / 1.2.3.赦し
1.3. 二つの共同性
1.3.1.相対的共同性 / 1.3.2.内属的共同性 / 1.3.3.内属的共同性からの相対的共同性
第2章 自己超越:V.E.フランクルの思想より
2.1. フランクルの思想
2.2. フランクルの実存分析
2.3. フランクルの実存哲学
2.4. 自己距離化
2.5. 自己超越
2.6. 内属的共同性から世界平和理論への展望
第3章 実存からの平和教育への展望:ホロコースト期を経た実存の論理から平和へ
3.1. カントによる永遠平和理論の哲学
3.2. ホロコースト期を経た自他による実存哲学
3.2.1.アーレントの「人間の条件」 / 3.2.2.V.E.フランクルの自己超越
/ 3.2.3.E.レヴィナスによる他者の在り方
3.3. H.アーレント、V.E.フランクル、E.レヴィナスによる共同性の考察
3.4. 実存から平和へ
3.5. おわりに
第4章 人間構造:人間とは何か
4.1. <わたし>とは何か?
4.1.1.自我 / 4.1.2.自己 / 4.1.3.自己を生きる / 4.1.4.愛
4.2. 「人間とは何か」にモデルによって答える:現象学的な視点から
4.2.1.現象学の系譜から見えてくる人間の「在り方」 / 4.2.2.構造的理解による人間の捉え方
4.3. 自他の関係性による実存的構造モデル
4.3.1.調和的認知の事例
第5章 教養としての「共生論」:自己に問う力
5.1. 答申の示す教養
5.2. 教養を基礎づける現象学
5.3. 現象学の一進一退
5.4. 教養の核心
5.5. 論語と教養
5.6. 実存的な教育に向けて
5.7. おわりに
第6章 共生:実存から共生へ
6.1. 共生
6.1.2.自己と他者の関係性 / 6.1.3.人間構造と自己調和的認知 / 6.1.4.自己調和への可能性
/ 6.1.5. 地球市民
第7章 共生から平和へ:異文化理解
7.1. 異文化衝突の構図
7.2. 異文化衝突の事例
7.3. 相対主義による異文化理解の構図
7.4. 異文化理解と自己調和モデル
7.5. 自己調和に基づく多文化共生
第8章 平和:個の在り方から人類の平和へ
8.1. <わたし>からの発信
8.2. 自己調和から人類共生へ導く理論
8.3. 世界平和への階梯
8.4. 異文化の共生事例
あとがき
付 録
付録1.合気道 合気道から導かれる共生:自他の関係と内属的共同性
付録2.ネットゲーム ネットゲーム仮想空間における「分身」と自己調和
:ラカンのシェーマLとアバター
付録3.異言語間コミュニケーション 人間構造からみた異言語コミュニケーション
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- 和書
- 今里廣記 長崎偉人伝



