朝日新書<br> 死の瞬間 人はなぜ好奇心を抱くのか

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朝日新書
死の瞬間 人はなぜ好奇心を抱くのか

  • 著者名:春日武彦【著者】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 朝日新聞出版(2024/11発売)
  • 夏のおとずれ!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン(~6/22)
  • ポイント 200pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022952875

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内容説明

人はなぜ最大の禁忌“死”に魅了されるのか? その鍵は「グロテスク」「呪詛」「根源的な不快感」にある。精神科医である著者が、崇高でありつつも卑俗な魅力を放つ“死”にひかれてしまう複雑な心理を、小説や映画の作品世界の読解を交えて分析する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

87
著者は産婦人科から精神科医になった経歴の方。70代となって死を意識するようになり、小説などの文学作品で死の瞬間を扱った文章を多数引用して考察している。「わたしは死という事象がもたらす恐ろしさや不穏な感触、気味の悪さは「永遠」「未知」「不可逆」の三つに立脚しているだろうと考えている」とし、それぞれを章立てしている。最後の章に、死と悪趣味があり、死と向き合う人の防衛機構への言及がある。躁的防衛などがその最たるもので無意識に現出してくるという。医学生の解剖実習は、死と向き合うために無くてはならないものと論ずる。2024/12/29

chie

32
副題「人はなぜ好奇心を抱くのか」という問いへのストレートな答えが書かれている訳ではなかった。ヒントは散りばめられている様な感じはするのだけれど、私には、とりとめなく感じた。「わたしたちは死のうと思えばすぐにでも死ぬことは可能だから、すなわちあの世は目と鼻の先に存在していることになる」という発想にハッとさせられた。確かに、そう考えると、あの世は遠い場所ではないのである。私たち人間は、死という、自分にとっては未知の事象に対して、「躁的防衛」という防御対策をとることがある、というのも、説得力があった。2025/01/13

特盛

29
評価3/5。精神科医、春日氏の死にまつわるエッセイ。死を見つめた時に春日氏の心に沸き起こる感情の観察と関連した様々な文学や映画作品の引用が中心だ。グロテスク、呪詛、根源的な不快感、という枠組みで死について語られる。サクサク読め、また著者の博覧強記ぶりに驚く。本書を読んでいる時に偶々年末、妻の母が亡くなった。普段の生活で覆い隠されている死について、いやおうでも意識させられた。自分もすぐこうなるのだ、と。ハイデガーは、死を意識する(先駆)ことで生の本来性が取り戻されると言っていたのを思い出した。人生は短い2025/01/07

空猫

26
「死」。タブーである。が、気になったり怖がったり、魅了されたりするのはなぜか、の考察。生と死の境目は何処か?人生が、苦しみが、永遠に繰り返される恐怖。あの世とはどんな所か。死、とは未知の事象で永久で取り返しがつかないから怖い。家族でも死体になると別人に見える、物体に過ぎなくなる。死にまつわる事には笑ってしまう様な滑稽さもある。いつも通り小説や映画の紹介もあり。Dr.春日は新刊が出れば読んでいる位のファンだ。面白いけど新書で出すほどの専門性は無くブログレベル。悪趣味で興味深いのだけれどね。2025/01/07

メタボン

24
☆☆☆☆ 表題から想像していた内容とは違ったが精神科医ゆえの死に対する考察が面白かった。小説・映画・マンガにおける死の描写についての言及も多く、今後の読書に深みが増すような気がする。死の3つの要素「グロテスク」「呪詛」「根源的な不快感」。櫂未知子の句「されど死は水羊羹の向かう側」。丹羽文雄の短篇「彼岸前」。リチャード・マンスン「奇蹟の輝き」(映画化あり)。死の恐ろしさは「永遠」「未知」「不可逆」に立脚。高橋たか子「双面」「顕われ(所収は怪しみ)」。加能作次郎「屍を嘗めた話(所収は世の中へ/乳の匂い)」。2025/01/24

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