出版社内容情報
精神病理学こそが、精神医学の深みや面白さそのものである。「了解」「病因」「気質」といった基本課題を今改めて掘り下げる。
内容説明
あなたが患者に対して行っていることは、精神医学の名に値するだろうか?
目次
精神科診断のあいまいさ
経験・経過・予後
了解の能力、あるいは“心的容量の非対称性の条件”
他人のこころはわかるのか―精神病理学の哲学的基礎について
“了解”の応用問題
わからなくてよいこと―“了解”と規範性
“内因”の意味するもの
病因を掘り下げる―精神科診断における“層の規則”
ナラティヴと人間学
気質論と時間論
“了解”の限界とパラドックス
“全体”の知としての精神病理学
著者等紹介
深尾憲二朗[フカオケンジロウ]
1966年生まれ。京都大学医学部卒業。医学博士。国立療養所静岡東病院(現静岡てんかん・神経医療センター)勤務、チューリッヒ大学神経内科脳波・てんかん学部門留学、京都大学大学院医学研究科講師を経て、帝塚山学院大学人間科学部心理学科教授、大阪経済大学客員教授。臨床てんかん学・脳波学の研究を行うかたわら、研修医時代から木村敏の下で現象学的・人間学的精神病理学の研鑽に努めてきている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こうきち
1
KindleUnlimitedで読了。 精神病の基礎知識と精神科医の基礎知識が無いと理解するのが難しい内容ですが、医者の悩みもよく分かって、勉強になった。結局のところ、医師に多くを求められる状態ではないんだな。2018/06/22
こずえ
1
精神医学の概説をみることができる。 精神医学に興味がある非医学専攻や医学部1・2年生むけ
ᚹγअәc0̸א
0
・ランディングに苦慮した感は窺えるが、精神病理学の基本が概説されており有難い。筆者はてんかん医の経歴があるので、てんかん系説明が充実してて嬉。Kretschmerのてんかん気質(粘着気質)=闘士型という分類は、当時の下級軍人に由来というのは嬉情報。現代の日常感覚との当てはまりの悪さも納得。 ・「了解」の前提としての「心的容量の非対称性」の提示も面白い。患者の容量を評価するには、医師はより大きい容量を持っていなければならない(ゆえにDSM頼みでなく研鑽せよ)という趣旨なのだが、いかにもドイツ医学的。
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- 和書
- 日本中世の朝廷・幕府体制