内容説明
うちの神様に選ばれた方ですね。はい、境内の竹林を抜けると行きたい過去に戻れます。その前に休憩処でお抹茶を一服いかがですか?――ここはイケメン神主・若宮雅臣と美人巫女・汀子の兄妹が切り盛りしている北鎌倉の一条神社。残念ながら人気はなく、台所事情は厳しいけど実は時帰りの神様が鎮座まします知られざる超パワースポット。タイムリープ後はすべてあなた次第、さて「2回目のあの日」で何をしますか? 帰ってみて結局心が揺れまくる「やり直しチャレンジ」物語5編。あなた様にも時の御利益がありますように。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
201
時帰りの神様のいる神社。後悔した過去に一度だけ帰れる。聖神様に選ばれた五人。それぞれの後悔した日に戻ってやり直すことになるが、やり直したことで未来を変える事ができるのか、それとも更に後悔することになるのか。イケメン神主と美人の巫女が時帰りに案内してくれる。誰でも後悔することはある。現実はやり直すことはできないけれど、後悔するようなことを減らすことはできるはず。今を一生懸命生きて足掻いて、時には笑い、時には泣いて、時には学んで、時には楽しんでいこうと思わせる物語。まあ、戻れたら過去に戻りたいかな。2025/07/15
さてさて
160
『あのころに戻れるのなら…自分の誤った判断をどうにかして止めなくては』そんな思いの先に、希望する過去へと『時帰り』する主人公達を描くこの作品。そこには、5つの短編で複数の主人公達の『やり直し』の人生が描かれていました。『鎌倉』を舞台にした物語が謎めいた雰囲気を盛り上げるこの作品。〈第四話〉までの雰囲気感が一変、〈第五話〉のまさかの物語に大号泣する他ないこの作品。“本当に「あの日」に戻ることができたなら”、自分はどんな時代に戻り、どんなことを『やり直し』たいと思うだろうと考えてもしまう素晴らしい作品でした。2025/10/23
はにこ
82
初読みの作家さん。過去に一度だけ戻れる神社、一条神社。神に選ばれた人々が訪れる。一日、一瞬の選択で将来が変わるのってきっとあるんだよね。帰った人々がそのことに後悔することなく帰ってきて良かった。いつかは訪れる別れの日に後悔しないように、日々を大切に生きないといけないね。自分だったらどの瞬間に戻りたいだろう。サラッと読めて気分転換の読書に良かった。2025/06/21
Karl Heintz Schneider
73
「時帰りって、うちの神社では古くから呼ばれてます。御祭神である聖神によって人生で一度だけ望んだ日に戻れるんです。」北鎌倉の少し奥まったところにある一条神社。ここに来た人は過去に戻れるといううわさがある。ありきたりな設定ではあるが読みながらいつの間にか引き込まれてしまう。タイムスリップ者と言うと「コーヒーが冷めるまで」が有名だが違うのは戻れる時間が1日から7日で人それぞれ。神様が望んだ人しかたどり着けないこと、あくまで神様が望んだということで本人は望んで、ここへ来たわけではないということ。2025/02/19
涼
72
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/02/post-743a8d.html 【さかのぼり喫茶おおどけい】も同じようなタイムスリップものですが、こちらは神さまが選んだ人しか過去へ戻れません。同じような展開の短編集です。最後の【だいすき】は、判っていてもやはり辛かったです。2025/02/26




