内容説明
ある日事故に遭い、頚髄を損傷してしまったひまり。
リハビリを続けるも復職の夢は潰え、一念発起して弁護士を目指す。
鉛筆も握れず、六法全書も開けない。
言葉のみを味方に、果たして司法試験を突破できるのか?
「言葉は私の最後の砦。
言葉がある限り、私たちはつながれる」
おしゃべりと食べることが大好きな33歳のひまりはある夏の日、出張帰りに交通事故に遭い、頸髄を損傷してしまう。意識は明瞭。だけど、身体だけが動かない。過酷なリハビリを続けるも突きつけられたのは厳しい現実だった。「復職は約束できない。できればこのまま退職してほしい」。途方に暮れ、役所で就労支援の相談をすると、すすめられたのは生活保護の申請。
私は人の役に立てるのに、どうしてその力を発揮させてもらえないのーー?
ひまりは自立を目指し司法試験受験を決意する。思い通りにならない身体でロースクールに通い始めるが、次々と壁が立ちはだかり……。
落涙必至の、人生応援小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
369
新川 帆立は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。本書は当初のイメージと異なり、凄まじい四肢麻痺リハビリ司法試験挑戦小説の感動作でした。著者の想いが強過ぎるので、受け止めるのが大変かも知れません。 https://www.gentosha.co.jp/s/himawari/2025/01/09
青乃108号
355
読み友さんからお薦めいただいた本。本の見た目のボリュームになかなか取っ付き難かったのだが、読み始めたら止まらなかった。不運にも巻き込まれた交通事故で脛椎損傷し四肢麻痺となってしまった30代女性の絶望と再生の物語。何と弁護士を目指すという無茶な目標にひたすら取り組む壮絶な日々。とんでもなく感情に訴えてくる本。泣ける。脇を固める登場人物も丁寧に描かれ、ああ何て優しい人々。読み終えて思う、良い本だったな、と。俺の悩みなんてどうって事ない、頑張ろう、と力を与えてくれる本。俺の今年のベストワンは断トツ、この本です。2025/07/31
旅するランナー
276
四肢麻痺の弁護士。読み出してすぐ、この小説は感動を与えてくれることを確信しました。困難なチャレンジに諦めることなく挑戦する姿がまぶしい。映画「最強のふたり」並みに、主人公とヘルパーさんの関係も面白い。感動はもちろん、人生への激励も与えてくれる素晴らしい小説です。しっかり届きました。2024/12/15
名古屋ケムンパス
269
不運を乗り越え、逆境に遭っても克服の途を切り拓き、身体的ハンデがあってなお難関の司法試験を突破して弁護士の職を得た主人公のひまりさん。障害の厚い壁に向かっても、希望を捨てず少しずつ衝き動かす様に読者もいつの間にか応援団に加わっています。最終章では自ずと眦が濡れています。2025/07/30
tetsubun1000mg
260
巻末の謝辞で菅原崇弁護士に感謝とされていた。 東京水産大学卒業後に明治に入社して、34歳の時に交通事故で脊椎損傷となったそうだ。 その努力の過程がリアルで感動的。 大学時代に司法試験を目指す学生を近くで見ていたので、その難関度はよく知っている。 以前の合格者1000人時代は難関学部の4年間を試験勉強に捧げさらに3年前後浪人してやっと合格する難易度だった。 その題材を元にしたモデル小説とされているが、新川帆立氏が身を削って書き上げた入魂の作品だと思います。 今年読んだ小説の中では圧倒的ナンバーワンの感動作。2025/03/22
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