内容説明
民主主義を、アップデートする。
住民自治の再生、ケア中心の脱炭素社会といったビジョンを掲げ、全国から注目を集める杉並区長・岸本聡子。さまざまな壁にぶつかりながらも、住民と一緒に前進してきた、その2年間の闘いを報告する。
【主な目次】
1 3年目に入った「対話の区政」
2 手探りのスタート
3 職員はコストではなく財産
4 当たり前の人権、当たり前の多様性
5 修復しながら前に進む
6 議会も変わった!
7 杉並は止まらない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
awe
11
杉並区長の書。欧州のシンクタンク研究員としてキャリアを積み、英国等の水道民営化・再公営化といった動きを通じていかに草の根から新自由主義に抗していくかということを考えてきた筆者は、南米発の政治運動たるミュニシパリズム(地域主権主義)を杉並の地で実践しようとしている。これは、私の理解では水道民営化といった国家レベルで進められる新自由主義的プロジェクトに対し、自治体レベルで対抗し、まさに地域における自治を実践しようとする思想・運動。杉並区は比較的リベラルな人が多いイメージがあり、そういった思想や実践を受け入れる2024/11/17
mochizo
0
昔7年ほど杉並区に住んでいましたが、色々と変化があったようですね。区長も変わったようですし。もともと住みやすい街ではありますが、より世田谷と差別化できている杉並区を目指してほしいものです。2025/05/07
古寺
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著者の中で「政治に関心がない、見たくないと思う人は多いが、政治に関係のない人はいない」と言っているが、本当にその通りだと思う。杉並区自治基本条例(岸本さんが区長になるずっと前、2002年公布)で「地方自治とは、本来、そこに住み、暮らす住民のためにあるものであり、地域のことは、住民自らが責任を持って決めていくことが、自治の基本である」とある。岸本さんはこれを職員や住民と一緒に実践しようとしている。 自治体職員に敬意を持っているのが特に素敵だ。2025/03/17