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内容説明
世界における経済の歴史は、どうなっているのか。経済はいつ誕生したのか、資本とは資本主義とは何か。利子、帝国、法人の誕生、バブルの発生、世界恐慌、戦争と経済成長など、さまざまな観点から見ていく。宗教と資本主義が密接に関係していることも明らかにする。グローバル資本主義は終焉を迎えつつあるが、今後は何が経済を動かしていくのか。経済学者の水野和夫が宗教学者の島田裕巳を聞き手に、わかりやすく説く。
目次
はじめに 島田裕巳/第一章 経済の始まり/一三世紀に「資本」が誕生した/日本の大都市が直面する曲がり角/経済史の難しさ/経済史に革命をもたらすブローデルとの出会い/経済史と社会史の交差点/浮世離れした理論経済学の現実/大恐慌とケインズ政策の教訓/肥大化するシンボル・エコノミー/世界帝国から地域帝国へ/グローバリゼーションと宗教の結びつき/世界経済史の課題/第二章 ローマ帝国に見る帝国と経済/経済活動の萌芽/農業革命とエネルギー効率/帝国の本質/帝国拡大の限界とその代償/帝国と帝国主義/キリスト教の拡大と経済的要因/利子の禁止/キリスト教はなぜ利子を容認したのか/一三世紀の転換──救済から成長へ/第三章 テンプル騎士団からメディチ家へ──貨幣と金融の時代/ヨーロッパ以外の経済/中国経済の先進性/イスラム経済の特徴/イスラムには法人がない/テンプル騎士団の金融活動/メディチ家の台頭/為替取引による利益創出/第四章 一三世紀における資本と資本主義の誕生/ブルジョアジーと都市化がもたらした経済拡大の波/一三世紀に経済が転換した理由/金貨の発行/機械時計、大砲、複式簿記の出現/中世の金利論争──ラテラノ公会議と教会のジレンマ/教権と世俗権力の対立/オリーヴィ理論の意義──貨幣が「石」から「種子」に変わった/オリーヴィ理論が700年間隠され続けたのはなぜか/第五章 教会に代わる株式会社という法人の誕生/即日配達とナノ秒取引が示す資本主義の「過剰」/法人と宗教組織/不輸不入の権利という壁/パートナーシップから法人格へ/戦争が株式会社を作った/東インド会社の誕生と株式制度/国債というイノベーション/南海会社と投機ブーム/アダム・スミスの株式会社批判/第六章 「長い一六世紀」とは/価格革命が起こった/利子率革命/ヨーロッパと日本の相似性/実質賃金の低下はなぜ起きたか/ルネサンスの経済史的意義/マキャベリとホッブズ──近代国家のデザイナー/宗教改革と情報戦/コペルニクス革命の本質/「長い一六世紀」と「長い二一世紀」/第七章 宗教改革とマックス・ウェーバー/『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を問い直す/富の集中とその進化/帝国と市場の論理/官僚制と資本主義/官僚制の日米比較/戦争と資本主義の密接な関係/戦争と経済成長のパラドックス/贅沢と欲望が生み出す資本主義/第八章 チューリップ・バブルはなぜ起きたのか──バブルの発生/八〇年代バブルとは何だったのか/プラザ合意前から市場は加熱していた/バブル崩壊の内実/土地バブルはいつ終わったのか/チューリップ・バブルの衝撃/なぜバブルは弾けたのか/シェイクスピアの慧眼/南海泡沫事件の 末/ミシシッピ計画/第九章 覇権国家としての大英帝国/海を制した大英帝国/オスマン帝国とヨーロッパ/オランダとイギリスの優位性/オランダ覇権の背景/イギリス帝国の拡大──第一帝国から第二帝国へ/イギリスのインド支配/蒸気機関と石炭の力/石炭が近代をもたらした/大英帝国の終焉/第一〇章 世界恐慌とアメリカ/マルクス流の「世界創造神話」/学問の細分化/そして資本は神になった/FRB神話の崩壊/古典的自由主義からケインズへ/過剰生産と恐慌のメカニズム/マルクスとエンゲルスの観察力/ケインズ理論の功績と限界/ケインズが予言したゼロ金利社会/第一一章 戦後の経済成長/第一次世界大戦の意味/帝国の三要素/社会主義が負けたのはなぜか/ドイツ処理の失敗/帝国理論から見る第二次世界大戦/枢軸国の成立背景/冷戦の帰結/戦後復興の逆説/経済成長の条件/第一二章 世界経済史から学ぶべきこと/帝国にとっての経済成長/資本主義はいつ誕生したのか/「ビジネスマン」は軽蔑語だった/資本を定義できるか/近代経済学とは何か/物価二%上昇を目標にする理由/なぜ「異次元」緩和だったのか/資本家の安楽死/人間がいらない世界/人類のゆくえ/未来は予測できない/おわりに 水野和夫
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まゆまゆ
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takao