内容説明
おはようおかえり――それは「無事に、早く帰ってきて」という願いが込められた言葉。北大阪にある和菓子屋「凍滝」の姉妹、小梅とつぐみ。姉の小梅は家業を継ぐため、毎日和菓子作りに励み、自由奔放な妹・つぐみはエジプトへの留学を目指していた。ある日、亡くなった曾祖母の魂が、何故かつぐみの身体に乗り移ってしまう。戸惑う小梅に曾祖母は「ある手紙を探してほしい」と頼んでくるが――。芋あんのキンツバ、六方焼き、すずめのこなし、最中……和菓子の香りもふくよかに、正反対の姉妹をあたたかく描く家族小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
相田うえお
66
★★★☆☆25031【おはようおかえり (近藤 史恵さん)】食ネタを散りばめながらもちょっと不思議ありの素敵な作品でした。登場人物のつぐみさんが損な役回りだったね。曾祖母もどうなのよ。母ちゃんは影薄いし、主役の姉ちゃん、もーちょっとみんなにはっきり説明しな!◯桜餅って関東と関西で認識違う?道明寺粉と小麦粉?◯「おはようおかえり」って言葉、知ってる?◯干し柿とあんぽ柿は何が違う?◯単身赴任、形を変えた出稼ぎかも◯関西ではどら焼きを三笠饅頭って言う?◯手を繋ぐってなんだかいいよねぇ◯デーツって食材知ってる?2025/04/10
坂城 弥生
42
送り出す言葉で『おはようおかえり』っていうのがあるんですね。関西地方だけなのかなぁ?2024/12/26
あゆみらい
25
近藤史恵さんの新刊文庫本を購入し読みました。近藤さんの作品のふわふわだけでない、人権とかそんな所に突然突っ込んでくる作風が好きです。あと、食べ物や演劇に詳しい所。今回はカレーと金つばが食べたくなりました。しかし近藤史恵さんはどんどん新作が出てくるので、なるべく新刊で買いたいのですが間に合いません。でも、追います。2024/12/20
練りようかん
19
軽やかで前向きな妹との二人姉妹。やりたいことも行きたいとこもない主人公が、それを見つけていく成長譚。舞台は大阪で地震発生にドキッ。異常事態がピリチュアルなトリガーになったのか、起こっていることが興味深く気持ちは逸れた。曾祖母の降霊は見分ける目安が掌にあり、代々営む和菓子屋の“手”仕事を象徴して上手いと思った。ふくら雀の細工菓子や芋きんつばなど素敵だ美味しそうだとニコニコしていたのだけど、その後の展開は息が止まる瞬間もあり見事なアップダウンだった。謎を残した終わり方は、主人公の性向と合って丁度良いと感じた。2025/04/23
kitten
18
図書館本。妹になぜか明治生まれのひいおばあさんが憑依するというとんでもないお話。話は地震と台風がきた年の大阪北部で、当時のことを思い出した。そうそう、地域によってはかなり停電長かったのよ。差別が当たり前の時代からくると、ジェネレーションギャップがすごい。当時の感覚ではそれが当たり前なんだからしょうがない、と思っちゃだめなのかな。評価、星3.一気読み2025/05/11
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