内容説明
バイク事故で夫を亡くした作家は、20年後、思い出の家を手放す今、再び問いに向き合う。もしも、あのとき別の選択をしていたら事故は避けられたのか? 悲劇の日までの二十数年にわたる結婚生活の「あのとき」の数々を見つめ直す。ゴンクール賞受賞の感動作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヘラジカ
50
「あのとき、ああしていれば、こうしていたら…」ほんの些細な後悔に対しても”もし”を考えてしまう人間という生き物が、大切な存在を重大な事故で亡くしてしまったらどうだろうか。誰しもが残りの人生、膨大な時間をかけてその”もし”について考えるに違いない。世界中に溢れている個人的で無力な「悔恨と嘆き」を文学に昇華する。決して独創的とは言えないテーマだが、大きな普遍性、明晰で理知的な文章、何よりも書くことによって自らを回復させようとする祈りのような強い力に心の底から感動した。傑作。2024/11/08
雪月花
42
人生のあらゆる場面で誰もが「もしもあの時ああしていたら、していなかったら」と思う時があるが、大切な家族を失った事故のあとなら、尚更、何度も何度もそう思わないではいられない。本書は愛する夫をバイク事故で失った著者が、全ての歯車が悪い方向に回り始めた過去の一つ一つの出来事を振り返り、時に自責の念に苦しみ、時に誰かに責任転嫁し、やるせなさを記している。結局は誰のせいでもない。としても、やはりあの時ああしていれば、という思いは付きまとい続ける。構成も良く一気に読ませる。2025/11/23
特盛
36
評価3.5/5。2022年ゴンクール賞作品。20年前、人生が開けて幸せなタイミングで突然、バイク事故で夫を亡くした著者。もしあの時ああだったら事故が起きなかっただろうか、という仮想と回想で物語が綴られる。因果関係とは一体何だろうか、とか偶然性の容赦なさ、人の喪失に対して人は準備も受容も簡単にできぬ、ということが頭を巡る。自分は、幸い大事な人を亡くした経験はない。だが、今後人生でこの様なことは理不尽な離別は確実に起こると見た方が良いだろう。或いは自分が誰かにとってそうなる。人生をなんとなく生きてはいけない2024/12/08
にゃにゃころ
26
フランス文学最高峰ゴンクール賞受賞作。20年前にバイク事故で亡くなった夫のことを、もし〇〇だったら... とひたすら振り返る。最初のうちは「なんという執着... 」と思っていたんだけど、読んでいくうちに、自分の中である程度昇華できたからこそ書くことが出来たんだなぁと。人生は選択の繰り返しなのだから、特に事故や病気に関しては、あの時こうだったならば... と考えるのは仕方ない。でもこの話はすべてが死に向かっているように思えて苦しかった。まぁでもタイトルは「生き急ぐ」ではなくて、「魔が差す」では?って思った。2025/01/22
Hiro
26
著者の自伝的作品と知り、読んでい辛かった。21の「もしも」と二つの「なぜ」からは著者の後悔や怒りが感じられる。色々な場面での何気ない選択や偶然の積み重ねが私たちの「運命」に影響することを考えさせられた作品。日々の一つ一つの選択をいい加減にはできない。2025/01/22
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