内容説明
気鋭の文筆家・僕のマリが挑む、
「食」と「記憶」を繋げる珠玉のエッセイ。
思い出すことのかたわらにはいつも、食べものがあった。
大切な記憶も、ちょっとした記憶も、食むように紡いでいく。
noteの好評連載に書き下ろしを加えて待望の書籍化
全編書き下ろしの「自炊ときどき外食日記」も収録
長い間忘れていたことを突然思い出すと、狂おしい気持ちになる。
頭のなかで突風が吹いたような、満潮の海が荒れるような、
スノードームをひっくり返したような、
そんな風に全身の細胞が泡立つのを感じる。
頭で覚えていないようなことでも、
匂いや音で急に記憶の蓋がこじ開けられることもある。
忘れて、思い出して、また忘れて、そんなふうにあと何十年も
自分の内面と向き合っていくことになるのだ。
(本文より)
もくじ
i
チーズケーキの端っこ
朝食のピザトースト
真夜中の炭水化物
りんごを剥いたら
直樹の焼きうどん
いつかマックで
退屈とコーラ
自炊ときどき外食日記 1
ii
祖母と梅、メロンに焼肉、初夏の風
苺の効力
幻とコンソメスープ
先生となんこつ
社食の日替わり
キッチンで缶ビール
炙ったホタルイカ
自炊ときどき外食日記 2
iii
サンタの砂糖菓子
考えるチョコチップクッキー
穏やかなフルーツサンド
不安と釜玉
酢シャンプーの女
食わず嫌い
明日のパン
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kei-zu
21
著者の本は、ずっと追いかけている。最新刊である本書のテーマは、食べ物を巡る著者の記憶。学校を早引けして飲んだコーラ、リンゴの皮をむくたびによみがえる飼い犬の思い出、ショートケーキのイチゴを譲ってくれた夫の嬉しさなど。丁寧に連ねられた文章を読むと、それぞれの様子が目の前に鮮やかに広がります。2025/04/21
yuui
15
僕のマリさん、やっぱ好き(๑˃̵ᴗ˂̵) ゆったり時間が流れとる感覚になって妙に落ち着く! エッセイそんなに読まんのやけど当たりしか読んだこのないってゆーくらい皆さん素敵な文章書くから、ほんと毎回毎回書いてくれてありがとうってなる🤗2025/04/25
野のこ
15
旦那さん、夜のスーパーのお惣菜コーナーで「色めきあってきたよ」の表現すてきって思った。マリさんの作るホタルイカと菜の花のパスタ。ニンニクと醤油バターにレモンを絞るのめっちゃ美味しそう! 「夫が好きなものと何より身体に良いものでほぼ毎日作ってる」 ってさらっと言えるの素晴らしい〜2025/03/12
たっきー
11
食べ物に関するエッセイ。昔の記憶にあるものや日常のことまで幅広い。ビールや喫茶店が好きと著者紹介にあるように喫茶店、晩酌のことが書かれている文章が多い。印象的だったのは、夫がショートケーキのメインとなるケーキの上のいちごをくれたから、その後何年かは夫に怒りを感じてもメインのいちごをくれたから、と許せてしまったというところ。小さい頃から食い意地がはっていたエピソードも笑った(犬にソフトクリームを舐めさせていた人の横で口を開けて待っていた等)。2025/02/09
えつ
10
久しぶりのマリさん〜!!!マリさんの「食」と「記憶」を繋げる珠玉のエッセイ。最高すぎた。やはり大好きすぎる。コンタクトしてるから玉ねぎが沁みない、眼鏡で料理をすると目が痛いはあるある。あと、アッパッパって久しぶりに聞いた。お客さまにアッパッパって言われて分からなくて、30歳上のお姉さまに何ですか?って確認したの思い出した。そして、関西にルーツは一切ないけど、“明日のパン”ってよく使うの。図書館で借りちゃったけど、やっぱりマリさんの作品は手元に置いておきたい。2025/01/17
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