内容説明
中川智正はなぜオウム真理教事件に実行役として関わっていったのか。面会記録と裁判記録から、解離性障害から洗脳されていった経緯を初めて明らかにした伝記。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Go Extreme
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オウム事件と解離性障害 幼少期からの巫病兆候 解離性障害の本格発症 理解されにくい行動背景 なぜでなく、いかに記述 獄中でのテロ対策協力 絞首刑の残虐性への見識 異常者の独白を超えた体験記 麻原による中川利用の底流 解離性障害者を包摂する社会 みなありがとう、最後の言葉 神秘体験と激しい苦悶 責任能力減退の可能性 視聴体験は真実の体験 体験前提でなければ理解不能 死刑囚の社会貢献と執筆 今日が最後かもしれません 自分のしたことの結果 宗教学と精神医学の関係 精神科への偏見なき受診2025/05/01
中将(予備役)
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オウム事件に関与し、死刑となった中川智正について、抱えていた「神秘体験」を軸に旧知の同級生が書いた評伝。医学的に解離性障害と説明される症状を抱えた人間が反社会的なカルトにのめり込み、「転生」を感じるという実感を伴いながら犯罪に関与していく様子が裁判資料を参照しながら詳細に記述されていて、食傷気味ながらも興味深かった。2025/04/20