内容説明
シャノンはジェームズ卿の依頼を引き受け、名うての傭兵4人を集める。武器弾薬、輸送船等、襲撃に要する一切を地下ルートに通じて調達すべく、“戦いの犬”たちはヨーロッパ各地に散った。シャノンはジェームズ卿の娘に近づき、計画の目的を探り出すことに成功。その時から、アフリカをこよなく愛するシャノンの胸のうちには、卿の意図とは異なる、ひそかな野望が芽生えはじめていた。
※この電子書籍は1981年に刊行された文庫に、新たに校正を加えた形で電子版のみ発売。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
absinthe
172
面白かった!戦争の下準備の話である。上下巻合わせて600Pの対策ながら、実際の戦闘は最後の10P程度、それ以外は武器調達、武器密輸、偽装のためのペーパーカンパニー設立譚、そのた擬装書類の集め方。フォーサイス氏は本当にクーデターを目論んだことがあり、これはその体験談だという噂もあるが、そう信じたくなるほどのリアルさだ。傭兵と言うのは結局は幸せになれない人種らしい。準備に時間をかける小説が好きな方は必見。2021/10/11
harass
84
面白いのだが延々と続く武器弾薬や装備の入手の段取りと、怪しく魅力的な海千山千の連中たちとの駆け引きで、最終章に入って残り数十ページでようやくドンパチが始まりあっけなく終る。そして… 意外な終わり方に驚くがそれも意味があったのだと。プロジェクトX的なドキュメンタリードラマを見ているようだった。語り口のうまさに感心する。著者のデビュー作「ジャッカルの日」「オデッサ・ファイル」からの三部作であるがこれは異色だ。著者の主張が一番出ているのではないかと。良書。2018/08/05
k5
69
シャノン以外の傭兵にまったくキャラがないので、ちょいと読むの辛かった部分もありますが、噂通りの「下準備小説」。ジャッカルとかも入念な準備が売りだったけれど、ほぼ下準備。もう一回じっくり読んだ方がいいかなあ。2021/08/10
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
31
感想は上巻に。★★★★
山口透析鉄
28
これもモデルになった事件等、あるようですが、フォーサイス氏のノンフィクション等は当時、未読でしたので、その辺の事情まではわからず読んでいました。 鉱脈を見つけて、それを元に濡れ手に粟の大儲けを企むんですが、似たような話、今でもいくらでもありそうです。 翻訳された篠原慎氏のあとがきも好きで、氏は敢えて3部作と書かれていました。 国際政治の現場に精通していたら、傭兵にせめてもの人間味を重ねたくなるでしょうし。